研究課題/領域番号 |
17K02127
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研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
薮田 雅弘 中央大学, 経済学部, 教授 (40148862)
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研究分担者 |
中平 千彦 明海大学, 経済学部, 准教授 (50433371)
森 朋也 山口大学, 教育学部, 講師 (30757638)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 観光需要 / 観光需要の季節変動 / 気候変動の影響 / パネル分析 |
研究実績の概要 |
観光地の盛衰について来訪観光客の動向を観光需要として把握し、主に、都道府県ベースのデータを用いて、観光需要関数を推計した。観光需要の動向は、外生的な経済的諸要因や自然や文化などの観光地特性の他に、観光地のもつ気候条件が季節変動をもたらす要因であることを規定の研究期間で分析、検討を行ってきた。しかし2020年度は、コロナ禍の影響を受けて( 国内観光、インバウンド観光問わず)観光需要が大きく変化したために、季節変動の影響については限定的に分析を行わざるを得なかった。2020年度は、コロナと観光に焦点を絞って、観光変動に及ぼす季節変動の影響を限定的であるが「新型コロナウイルス感染症と観光発展戦略を分析する意義は大きいと考え」、、2017 から2019 年の平常時と今年の1 月から9 月のコ ロナ禍で、移動パターンがどのように変容したかについて分析を行った。季節変動に関わる新たな知見としては、発地と着地に関して両地域の気象の差をコントロール変数として加えている。観光需要には季節変動性が存在することが知られており、分析においては、気温、降水量、風速、日照時間、蒸気圧を用いたパネル分析を行った。得られた知見は、2017-2019 年の月別変化(平均)はいずれも季節変動など月次の変動を反映していると思われる。そのため、2020 年1 月以降の変化についても過去の変化要因を考慮する必要があることから、さらに詳細な分析が必要であることがわかった。この点、延長された年度を利用し、さらに研究積み上げる必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
季節変動と観光移動の関連を調査する過程で、研究代表者の体調上の問題もあるが、コロナ禍での観光需要について季節変動を調整した形でのデータを用いて分析を進める必要があったが、その点についての考察を、共同研究者と進めていったが十分な結論を得るに至っていない。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度については、コロナ下での観光需要の動向に関して、新型コロナウイルス感染症のリスク要因と政策効果以外のコントロール変数として、都道府県間の距離、県内総生産、人口密度、季節変動性を用いて推計を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
最終年度に論文としてまとめ出版する予定の成果物について、査読やネイティブチェックのための費用を計上した。
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