研究課題/領域番号 |
17K02137
|
研究機関 | 湘南工科大学 |
研究代表者 |
Don Maybin 湘南工科大学, 工学部, 教授 (60269644)
|
研究分担者 |
牧 紀子 湘南工科大学, 工学部, 准教授 (00333568)
ドネリ ユーケリア 湘南工科大学, 工学部, 講師 (30510193)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
キーワード | 多言語化 / 訪日外国人 / ブレンディッドラーニング |
研究実績の概要 |
増加する訪日外国人を迎えるにあたって、地域・団体の多言語化による"Omotenashi"を実現することによって活性化を図ることが出来るかどうかを実験・検証を進めていく。そのために、平成29年度は、本研究の枠組みの構築並びに実証実験の場の選定、協力地域・団体との交渉などを行ってきた。平成29年度は本研究に関心を抱いた東海地域の県の観光協会と協力関係を結び、実証実験の場の候補地選定(3カ所)ならびにそれらの地域・団体に対しての説明会を行った。その結果、1団体および1地域での小規模な実験の開始に着手をし、平成30年度にかけて実験データの収集並びに分析を行っていく。実験を開始した団体・地域は、多くの訪日外国人を迎える東海地域の美術館と近年大型クルーズ客船を迎えることになり地域の活性化を図ることを考えている沿岸地域の商店街である。当該商店街は地域経済の衰えにより、閉鎖する店も多くなっている。ここにクルーズ船で来日した外国人を迎え入れ、観光都市としての活性化を図りたいと考えている場所である。美術館および商店街(地域)共に、中国・韓国などのアジア系観光客を多く迎えるようになっており、英語ではない彼らの母国語での対応が望まれている。 平成29年9月には本研究に用いる多言語学習システムのフレームワークとそれを用いた学習の仕組みについて、「ブレンディッドラーニングによる次世代型語学学習モデル」および「短時間サバイバル語学学習のためのカリキュラムデザイン」という題目で日本教育工学会第33回全国大会にて発表を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究はおおむね順調に進展をしている。実験協力依頼の際に、県および市の観光関連部署を介することが多いことから、なかなか話し合いが進まずに進捗が遅れた時期も見られた。その点で29年度の後半での実験着手がやや遅れたが、学会やフォーラム等を通じて我々の研究活動に興味を抱いた団体等からも直接依頼を受けるようになったことから、実験の場の確保が出来るようになった。全体的に見て、概ね順調に研究は進展している。
|
今後の研究の推進方策 |
平成30年度は、平成29年度に実験着手した地域・団体においても実験を行う目途が立っている。そこで、訪日外国人を迎える様々の立場の人・団体を対象とした実験を行うことによって、多言語化およびそれによる訪日外国人への"Omotenashi"効果の分析を行っていく。また、その結果の一部を、30年度の後半に国際学会にて発表する予定である。その後は、さらに、実験の続行並びにデータの収集・分析を進め、国内の学会においても発表していく予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
当該年度は実験環境の整備の一環として、本研究で使用するシステムの改修をし、それをスマートフォンアプリケーション化する予定であった。しかし、スマートフォンアプリケーション化の計画をしている段階で、プログラム全体のかなりの書き換えが必要となることがわかり、また、その為の費用も当初予算の3倍近く必要となることが分かった。その結果、スマートフォンアプリケーション化を断念せざるを得なくなり、そのためにあてていた費用が余ることとなってしまった。 今年度は実験そのものはインターネット環境の元、続行できるので引き続き行っていく。その実験結果に関する発表を、11月にチリで開催される国際学会で発表を予定していることから、当該年度に余ってしまった費用は国際学会への参加費並びに旅費として使用する。さらに、実験協力地が大学から離れていることから、そこへの国内出張旅費としても利用する予定である。
|