| 研究課題/領域番号 |
17K02140
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| 研究機関 | 金沢星稜大学 |
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研究代表者 |
川澄 厚志 金沢星稜大学, 経済学部, 講師 (00553794)
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| 研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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| キーワード | 都市計画 / コミュニティ開発 / 観光まちづくり / 小規模住民組織 / 持続可能性 / 参加型開発 / プロプアツーリズム / コミュニティベースドツーリズム |
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| 研究実績の概要 |
タイのコミュニティ開発は従来、コミュニティ全体を対象とするものであり、オンサイトの開発では、土地分有事業や区画整備等を応用した様々な手法がコミュニティの状況に応じて展開されてきた。これに対し、小規模住民組織（SG）を単位とした開発手法は、こうした都市貧困層に対する公共事業（CODIのBaan Mankong Program）を円滑に行う目的で新たに2003年に導入されており、いわば開発整備事業を遂行するためのツールとして位置づけることができる。本研究では、こうしたコミュニティ開発でみられる「目的遂行型SG」の事例や、コミュニティ・ベースド・ツーリズム（CBT）等でみられる「テーマ型SG」の事例比較を通したSGの特性を明らかにし、計画論的視点からその有効性について分析する。最終的には、アジアにおける小規模住民組織を通したまちづくりの手法について構築することが本研究の主な目的である。
初年度である2017年度は、2017年6月（4日間）、11月（7日間）、2018年3月（6日間）にタイ・バンコクで現地調査を実施した。2017年度における現地調査では、「Cooking with Poo & Friends（タイ料理教室）」を調査対象とし、バンコクのクロントイ・スラムで事業展開しているプロプア・ツーリズムに焦点を当てて、テーマ別SGの特性を明らかにすることを主な目的とした。主な調査目的は、（1）展開事例の事業内容や歴史背景を整理し、事業化するに至った経緯及び、その理由を明らかにする、（2）展開事例の参加者の社会的属性や参加理由とその満足度を明らかにすることであり、2017年11月から2018年2月末までCooking with Poo & Friendsの協力を得て、参加者に対するアンケート調査を実施している。このアンケート調査の有効回答数は299票であった。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2018年3月の調査において、CODIを訪問し、当該機関の関与するコミュニティ開発は、従来コミュニティ全体を対象とするものであり、オンサイトの開発では土地分有事業（Land Sharing）、区画整備（Blocking）等を応用したさまざまな手法がコミュニティの状況に応じて展開されてきたことを再確認することができた。このCODIの関与するコミュニティ開発の中で、小規模住民組織を単位とした開発手法は、住民参加による住環境整備事業を円滑に行う目的で、新たに2003年に導入された試みであり、いわば開発整備事業を遂行するためのツールとして位置づけられる。本研究ではこれを目的遂行型の小規模住民組織として位置づけており、2018年3月の現地調査で調査対象としたスアンプルーBMP地区でも再確認することができた。
加えて、初年度である2017年度の調査では、自立的発展を目的とした「テーマ別の小規模住民組織」の活動や事業に焦点を当てて調査を実施することができた。具体的には、バンコクのクロントイに居住する住民をはじめとする貧困状況にある人々に、観光事業を通じて貧困改善や経済的自立を促すことを目的としたプロプア・ツーリズムの展開事例である。次年度以降は、コミュニティ（または村落）が地域資源を活用して事業展開しているコミュニティ・ベースド・ツーリズムの展開事例の現地調査を実施して、展開事例にみる小規模住民組織を単位としたコミュニティ開発の特性を明らかにしていく予定である。
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| 今後の研究の推進方策 |
2018年3月の現地調査で回収したアンケート調査票（299票）については、現時点ですでに入力作業が順調に進んでおり、2018年8月までには分析を行い、年度内には学術論文（英文）として取りまとめていきたいと考えている。
2018年度の現地調査は、これまでに実施しているバンコクのクロントイで事業展開している「Cooking with Poo & Friends」での現地調査や目的遂行型小規模住民組織の展開事例であるボンガイ地区やスアンプルー地区における住環境整備事業での現地調査を継続して実施していくことに加えて、コミュニティが地域資源を活用して事業展開しているコミュニティ・ベースド・ツーリズムの展開事例（Ban Bang Mai Community, Surat Thani）の現地調査を実施して、（1）展開事例の歴史背景を整理し、小規模住民組織を組織化するに至った経緯及び、その理由を明らかにする、（2）展開事例へ参加している住民の経済的・社会的属性を明らかにする、（3）展開事例における小規模住民組織の組織化の目的と方法を明らかにする、（4）以上により、展開事例にみるテーマ型小規模住民組織を単位としたコミュニティ開発の特性を明らかにしていきたいと考えている。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
2017年度において次年度使用額が発生した理由として、2018年3月の現地調査において予定していた現地の調査協力者への謝金等の支払いが実際には発生しなかったことが主な理由である。
2017年度における次年度使用額として発生した予算について、2018年度における使用計画は、これまでの使用計画と同様に、現地調査における調査協力者への謝金として計上し、Ban Bang Mai Community（Surat Thani）での調査目的を達成していく。
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