案内ガイドの育成において、ガイド自身が当該地域の観光情報を知る事は重要である。主要な観光地はガイド自身が熟知して案内業務に従事しているものの、季節や観光客の属性(性別や年代、国籍)によって観光客が指向する訪問先は変化するし、時間の経過とともに変化する事も多い。このように、常に変化し続ける観光客の訪問先を把握することが、ガイドの重要なスキルであるが、個人の属性や経験年数によるばらつきが認められる。そこで、情報の共有と教育システムの確立を本研究では目指した。くわえて、外国人観光客に対する公共交通の情報提供のあり方について、よりわかりやすい表現方法を目指している。 情報の共有方法として、LINEを使った日報の作成と既読状況の把握、案内ガイドに対するアンケートを実施した。この結果を集計し、分析している状況である。 案内ガイドの教育システムについては研究着手前より実施し、その変化を追跡している。これまで蓄積された訪問先データをもとに、案内ガイドの研修に使用したところ、多くの質問に答えることができたが、対応の仕方や検索スキルの向上については経験年数を積んでいるガイドと一定期間同行する必要がある。観光客からの質問に答えられない場合の案内ガイドに対するフォローは引き続き検討していく。 また、外国人観光客に対する駅やバス停に掲示されている情報のわかりやすさについては、京都市内の交通事業者と定期的にワークショップを開催しており、引き続き効果の測定を行っていく。
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