研究課題/領域番号 |
17K02144
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研究機関 | 千葉商科大学 |
研究代表者 |
榎戸 敬介 千葉商科大学, 政策情報学部, 教授 (60433091)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 都市観光 / 都市計画・デザイン / エンクレイブ / Temporary Urbanism / 公共空間デザイン / モントリオール / エンターテインメント・文化 / 中心業務地区 |
研究実績の概要 |
本研究においては、海外都市でのフィールドワークを中心にエンターテインメント・文化「エンクレイブ」の現場での最新情報の収集をこれまで進めてきた。しかし、新型コロナの収束が進まない中で海外都市だけでなく国内都市でのフィールドワークもほとんど実施することができなかったため現場での情報収集を行うことができなかった。したがって、今年度は新たな文献資料の収集と論文執筆を中心に研究を行った。前者については都市観光との関連でアーバニズムとアーバンデザインに焦点を絞り、エンターテインメント・文化「エンクレイブ」の形成についての文献調査を新たに進めた。その結果、これまでの都市計画・デザインを支えてきた概念の一つである長期的な都市の変化を設定し、そこに向けての空間形成の誘導を図ろうとする計画論に対し、一過性あるいは短期的な都市空間の使い方やデザイン(例えば公共空間でのイベントや仮設のストリートファニチャーの設置など)の重要性に関心を寄せるTemporary Urbanismという概念にもとづいて展開されつつある新しい計画論がエンクレイブの理解を促進するものであるとの認識を得た。また、Temporary Urbanismの実験的なイベントに参加する機会を得て、エンクレイブ形成を説明する概念としての有用性を確認することができた。本概念は、地理学、都市学、都市計画学等において徐々に導入されつつあるが、観光学ではまだ注目されておらず、今後の研究を進めていく上で重要な調査事項になるものと期待できる。本概念の導入が、今年度研究の重要な成果である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究の中心は海外都市でのフィールドワークであるが、コロナ禍が継続する中でそれが不可能となったため。
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今後の研究の推進方策 |
コロナ禍の収束状況によるが、海外都市フィールドワークの実現性が低いため、国内都市のフィールドワークへの切り替えや文献資料調査などを中心とする研究への切り替えを検討中である。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度は予定していた海外都市調査がコロナ禍のため実施できなかった。次年度は、海外都市調査については引き続きその可能性をさぐるが、次年度も実施不可能の場合、国内都市調査、文献収集、デジタルマッピング用の機器、ソフトウエアなどに使用する予定である。
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