研究課題/領域番号 |
17K02150
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
平松 燈 近畿大学, 総合社会学部, 准教授 (30725255)
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研究分担者 |
米田 耕士 熊本学園大学, 経済学部, 講師 (20547442)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 高速鉄道 / 観光産業 / 訪日外国人 / 人口移動 |
研究実績の概要 |
高速鉄道の整備が地域経済に与える影響について、いくつかの分析を行なった。最近の成果としては、高速鉄道による人口や経済活動の立地が変化することについて、データ解析を行なった。高速鉄道の開通により人口移動に影響を及ぼすこと(Hiramatsu and Yoneda, 2018)や、その影響は労働年齢層以外では現れたとは言えない(平松・米田、2018)ことを示した。シミュレーション分析においても、経済活動の空間的変化が示された(Hiramatsu, 2018)。また、これらの成果を踏まえ、高速鉄道の開通が観光産業に影響を与えることをシミュレーション分析により示した(Hiramatsu, 2018)。現在はリニア中央新幹線の開通が持つ影響について分析を進めている。ルートや開通時期の違いにより成長する地域が異なることが示されると考えられる。 訪日外国人の増加が地域経済に与える分析もすすめており、関西経済において、地域により訪日外国人の増加により受け取る影響が異なることを示した(平松、2018)。さらに、日本全体で見ると、訪日外国人の増加により、衰退する地域がある可能性ついて示し(平松、2018)、現在も分析を進めた論文を執筆中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでのところ、研究はほぼ予定通りに進んでいる。いくつかの論文が出版された。ただし、分析を進めるなかで追加的に発生した疑問について、さらにデータ整備を行う必要が発生した。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの研究成果を踏まえ、広域な高速鉄道が持つ影響について、さらに分析を進めたい。 まず、8月までにデータの整備を行なう。その上で、データの記述統計を検討しながら、今後の研究打ち合せを行なう。9月中旬までに基礎的な分析を行ない、論文作成に向けて研究打ち合せを行なう。12月末までに論文を作成しながら、学会で発表する。さらに、研究遂行中に発生する課題や学会での問題点を踏まえて追加的に分析を行ない、2020年3月末までに研究をまとめたい。また、現在取り組んでいる訪日外国人と地域による経済成長と衰退に関する研究も本年度中に完成させたい。 観光行動と地域経済の関係についての分析を含めた、最終的な本研究の完成は最終年度である来年度の課題としたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度の予算を超えた計算ソフトを購入した為、立替払いとし、次年度に予算を残し、次年度分の予算と合わせて支払いを行なう為。 また計画していた研究打ち合せを次年度に行なうこととした為。
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