研究課題/領域番号 |
17K02151
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研究機関 | 沖縄大学 |
研究代表者 |
圓田 浩二 沖縄大学, 法経学部, 教授 (10369209)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 沖縄研究 / 地域研究 / 宮古島 / 国際観光 / クルーズ船 / 地域社会 / ローカル・ルール |
研究実績の概要 |
沖縄県の宮古島では、ここ数年でクルーズ船を利用した外国人観光客が急増し、島の観光産業のあり方を大きく変えつつある。本研究2017年度の問いは、「急速な国際観光化によって、地域社会はどのように変容するか?」というものである。方法は、文献調査とインタビュー調査、参与観察を用いた。 インタビューは、宮古島の観光協会、観光業者(タクシーとレンタカー)、地域住民、観光客に対して行った。調査の結果、宮古島のクルーズ船観光の始まり、それによる観光業者の形態の変化、地域住民の対応、観光客から見た宮古島の特徴などがわかった。解決すべき問題としては、急速な国際観光化と地域社会とのミスマッチの問題、宮古島の地域社会は観光化の流れから言ってローカル・ルールからナショナル・ルールへの変更を余儀なくされていく問題がある。日本社会が少子高齢化で地域が衰退していく中で、宮古島は国際観光化という道を選んだ。国際観光化によって、新たな産業や雇用も誕生している。本研究では、宮古島の地域社会は国際観光化によって変容せざるを得ず、小さな島での国際観光化の成功事例となるようにしなければならないと結論づけていた論文を執筆、学部紀要に掲載した。 「沖縄県宮古島におけるクルーズ船観光の現状と地域社会の変容 Current state of cruise ship tourism and transformation of local community in Miyakojima, Okinawa 」を沖縄大学法経学部紀要28号に掲載した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
80%の進捗状況であると自己評価している。宮古島で、ダイビング、ビーチ、離島でのマリンツーリズムのフィールド調査を行い、また関係者へのインタビューは、宮古島の観光協会、観光業者(タクシーとレンタカー)、地域住民、観光客に対して行った。 現在の宮古島では、クルーズ船観光がここ数年で飛躍的に発展しており、島の産業と地域社会を大きく変容している。日本全国で少子高齢化が進む中、宮古島は国際観光化という道を選んだ。フィールド調査してわかったことは、宮古島はマリンツーリズムを基盤として、ビーチリゾートとして、国際観光化を目指している。 クルーズ船と国際線LCCを呼び込むために、バース整備と下地島空港の国際空港化の工事を推し進めている。今後、国際観光化をキーワードに、宮古島のマリンツーリズム研究を推し進めたい。
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今後の研究の推進方策 |
今後、二つの方向性を持って研究を推し進めたい。 1.宮古島でのフィールド調査を推し進めてゆく。ダイビング、ビーチ、離島でのマリンツーリズムのフィールド調査を行う。また関係者へのインタビューを行ってゆく。 2.比較調査地として、海外(アジア)の人口5万人程度のビーチリゾートを選び、比較研究を行いたい。この比較研究によって、宮古島のマリンツーリズムと国際観光化の問題点や課題が見えてくるはずである。
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次年度使用額が生じた理由 |
海外比較調査地を選定し、調査を行うため。 アジア圏にある人口5万人程度ビーチリゾートを選別し、比較調査を行いたい。
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