本研究は、観光開発が進むビーチリゾートとしての宮古島を、観光社会学的に調査研究を行った。研究方法は、3年間を宮古島へのフィールドワークを行い、また国内外の比較調査地でのフィールドワークを行った。宮古島では、2010年まで年間30-40万人の観光客数であったが、クルーズ船の奇港と、本土の主要空港からの直行便が運行するようになって、観光客数が大幅に増加した。2018年度には100万人を超えるようになり、国内外にビーチリゾートとしての宮古島が認知されるようになった。宮古島の主要な観光資源はビーチと珊瑚礁であり、これらを利用したマリンツーリズムが盛んである。ただ、マリンツーリズムと言っても、海水浴がメインであり、シュノーケリングやスクーバダイビング、カヌーといったマリンメニューへの、観光客の誘致はまだまだ問題があると言っていい。急激な観光客増で、宮古島の地域社会へのストレスが大きくなり、住民生活への影響も出始めている。 調査結果は、マリンツーリズムを基幹とした国際観光開発が急速に進み、島全体が国際観光地へと変り、今後も国際的なビーチリゾートとして発展していくだろう。ショッピングモールやホテルの建設増、下地島空港の活用、クルーズ船用の専用バースの建設など、観光客増に対応したインフラ整備である。また、一般市民への生活に影響が出はじめ観光公害と呼べるような地域社会への負担が生じていた。今後の課題となろう。宮古島のビーチリゾートの発展の可能性と、海外の有名ビーチリゾートでの改稿開発の限界と問題点を明らかにした。研究業積としては、論文3本と学会研究報告1がある。
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