研究課題/領域番号 |
17K02156
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
哲学・倫理学
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
音喜多 信博 岩手大学, 人文社会科学部, 准教授 (60329638)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 哲学的人間学 / 現象学 / シェーラー / カッシーラー / メルロ=ポンティ / マクダウェル |
研究成果の概要 |
本研究において私は、「物理主義」という意味での自然主義が大きな影響力をもっている今日の哲学界の状況のなかで、主に20世紀前半の独仏圏を中心に展開されたM・シェーラー、E・カッシーラー、M・メルロ=ポンティらの「哲学的人間学」の現代的意義を評価しなおす作業に従事した。私は、哲学的人間学のもつ自然主義的傾向を、今日の英米圏の認識論や倫理学において「アリストテレス的自然主義」の立場をとっているJ・マクダウェルの思想と比較・対照することによって、その近親性と差異とを明らかにし、哲学的人間学の思想が今日の認識論においてもつ意義を評価した。
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自由記述の分野 |
人文学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日本においては、フッサールやハイデガーをマクダウェルの認識論や徳倫理学の観点から再解釈した先駆的な試みとして、たとえば門脇俊介『理由の空間の現象学』(2002年)、『破壊と構築』(2010年)などがあげられる。本研究は、このような試みを、フッサールやハイデガーに影響を受けて自らの思想を形成した「哲学的人間学」の哲学者たちについて遂行したものである。そのことによって、現象学をはじめとする「大陸系」の哲学と「英米系」の哲学との間での共通の議論の土壌を作っていこうという昨今の哲学研究の動向に寄与するものである。
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