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2019 年度 実施状況報告書

ベルクソン哲学における様相概念の総合的研究

研究課題

研究課題/領域番号 17K02158
研究機関東北大学

研究代表者

村山 達也  東北大学, 文学研究科, 准教授 (50596161)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2021-03-31
キーワードベルクソン / 様相概念 / 潜在性 / 可能性 / メタ哲学
研究実績の概要

大きく分けて二つの研究を行なった。
一つは、ベルクソンについて過去に行なった研究についてのメタ哲学的研究である。メタ哲学(哲学の哲学)はいま研究が盛んになされている分野であるが、哲学史研究のメタ哲学研究はまだ数少ない。また、メタ哲学全般において、事例研究はほとんどなされていない。そうした状況のなかで本研究は、哲学史研究(とりわけ、概念の内実を確定しようとする類いの研究)がどのような方法と目的のもとになされているかについて、潜在性概念と可能性概念を主題として過去に行なった発表とその論文化を素材として事例研究を行なった。哲学史研究に固有のものとして「用例集作りにおけるメノンのパラドックス」や「一義性の神話」といった問題を取り出し、方言とのアナロジーや「読者サービスの原理」といったアイディアを用いてそれらへの回答を試みた。
もう一つには、やはり潜在性概念と可能性概念について、依頼のもと英語論文を執筆し、寄稿した。潜在性概念については、過去の日本語論文を再利用した(関係各位にはその旨連絡し、論文中にもその旨記載した)。可能性概念については、ベルクソン哲学のなかでのその形成史を辿りつつ、ベルクソンの可能性批判の議論を再構成し、その批判がベルクソン哲学全体にとってもつ意義を論じた。その過程で、「回顧的説明可能性」「質的多様性としての過去」「回顧の論理の拡張」といった概念についても論じ、ドゥルーズが潜在性概念を用いて論じようとしたことは、むしろ可能性概念を中心に据えたほうがよりよく論じることを示した。
なお、いずれも研究と論文執筆は主に2019年度中に行なったが、公刊は2020年度以降になる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2020年3月に予定していた二つの出張(イギリスでの口頭発表、オランダでの講演、オランダでのセミナー開催)が中止になるというアクシデントはあったが、それ以外はおおむね計画どおりに進捗している。とりわけ、可能性概念についての考察が、予想以上の実りあるものとなり、ベルクソンにおける創造概念について多くのことを明らかにすることができた。

今後の研究の推進方策

今年度は、これまでの成果を踏まえ、必然性概念と現実性概念について研究を行なう予定である。成果発表については、海外での口頭発表をする予定であったが、現況を踏まえ、その点についてはいくぶんか修正する必要がある。

次年度使用額が生じた理由

コロナウィルスによる海外出張の中止。別のかたちで、かつできる限り外国語で成果発表を行ない、その際の校閲費などに使用する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (1件) (うちオープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] 反省会としてのメタ哲学2020

    • 著者名/発表者名
      村山達也
    • 雑誌名

      哲学の探求

      巻: 47 ページ: -

    • オープンアクセス
  • [学会発表] 哲学者たちの反省会2019

    • 著者名/発表者名
      村山達也
    • 学会等名
      哲学若手研究者フォーラム
    • 招待講演

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公開日: 2021-01-27  

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