研究実績の概要 |
アリストテレス作と伝えられる『大道徳学』(Magna Moralia)のギリシア語写本の研究の継続として、同書の六つの写本系統群の各々の先頭に位置する Cc 写本、Pb写本、A 写本、L 写本、Kb写本、V 写本の収集、校合、校訂を続けた。(この点で有用な導きとなった先行研究としては依然として、Brockmann, C., ‘Zur Ueberlieferung der aristotelischen Magna Moralia’, in Symbolae Berolinenses fuer Dieter Harlfinger, Berger, F. et al. (eds.), Amsterdam,1993、 及び、Johnstone, H. M., Prolegomena to A Critical Edition of the Aristotelian Magna Moralia, Oxford University Ph. D Thesis, 1997 が挙げられ る)。 これらの作業には、テキストが壊れていて復元困難な部分の解釈の他に、『大道徳学』に独自の用語や語彙使用、叙述スタイルの検討、他の倫理学書(『ニコ マコス倫理学』及び『エウデモス倫理学』)との比較検討なども含まれている。
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