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2019 年度 研究成果報告書

グローバル社会における正義論と道徳心理学の再接続

研究課題

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研究課題/領域番号 17K02192
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
研究分野 哲学・倫理学
研究機関立命館大学

研究代表者

神島 裕子  立命館大学, 総合心理学部, 教授 (60449329)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワードケア / ケイパビリティ / 正義
研究成果の概要

本研究では、初年次にロールズ『正義論』の第三部の精読と関連する道徳心理学の理論研究を行い、二年次にロールズの「対等な市民としての暮らし」というアイデアを膨らませた「対等な間柄にある存在者」というアイデアを用いて外国人ケアワーカーの社会的包摂について考察し、国際学会で研究発表を行った。また、ドイツのミュンヘンでケアワーカーに関するフィールドワークを行った。この過程で、国内外の他者とケアの関係性を結ぶためのケイパビリティの重要性が明らかになった。三年次には、諸個人の道徳的な行為者性が、国境を越えて醸成されるケアを与え与えられる関係性のなかで高められるという正義構想について、国際学会で報告した。

自由記述の分野

政治哲学

研究成果の学術的意義や社会的意義

ケアワーカーの国際移動には様々な問題があり、出入国の制限を設けることでそうした問題を解消することはできるが、他方で移動の自由を含め、諸個人が各々の善い生へのケイパビリティを身につけたりそれを行使したりすることは阻害されることになる。本研究では、ケアワーカーは国境を越えることで自らのケイパビリティを高めると同時に、ケアの受け手側のケイパビリティも高めうることを明らかにすることができたと同時に、このポジティブな側面を保護するための正義にかなった制度の必要性を指摘することもできた。EPAや外国人技能実習生制度を通じて外国人ケアワーカーが増えつつある日本において、本研究の社会的意義は小さくない。

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公開日: 2021-02-19  

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