| 研究課題/領域番号 |
17K02193
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| 研究機関 | 立命館大学 |
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研究代表者 |
青柳 雅文 立命館大学, 文学部, 非常勤講師 (90469099)
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| 研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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| キーワード | フランクフルト学派 / アドルノ / 哲学 / 現代思想 / 亡命 / ドイツ / イギリス / アメリカ |
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| 研究実績の概要 |
今年度は、Th・W・アドルノの亡命期間における現象学研究を解明するため、昨年度に引き続きドイツに渡航し、「Th・W・アドルノ・アルヒーフ」を訪問した。そこでは、アドルノが期間中に書き残した未公刊草稿「フッサール・ブック」、および彼の論理絶対主義批判に関連する未公刊草稿および講義録を詳細に分析した。アルヒーフ研究員からは、当該資料の成立経緯について聞き取りをおこなった。「フッサール・ブック」については、やはり大部であるため、次年度も継続して分析を進めることとした。
来日したフランクフルト大学のライナー・フォアスト教授の講演会に参加し、意見交換などの交流を深めることができた。
また今年度は、彼の亡命期間の現象学研究のうち、彼の〈非同一的なもの〉の思想との関連で、他者経験論について研究をおこなった。その成果については、学会発表をつうじて公表した。
さらに昨年度に生じた、亡命期間の現象学研究が以降どのように展開してゆくことになったのか、という課題について、「Th・W・アドルノ・アルヒーフ」での調査結果も踏まえて、物象化および論理絶対主義批判を主題とした研究をおこなった。その成果については、論文として公表した。
当初の計画では、アメリカ移住後のアドルノの現象学研究を調査する予定であったが、昨年度に彼の講演に関する研究成果を前倒しで公表した。今年度はコロンビア大学における資料調査のため、その準備作業として、同大学での資料の所蔵に関して調査をおこなった。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度から、未公刊草稿「フッサール・ブック」の分析・研究を継続しておこなっているが、次年度以降も引き続き検討を加えることとなった。
その一方で、亡命期間のアドルノの現象学研究については、その成果を学会発表をつうじて公表することができた。
さらに亡命期間からそれ以降に展開している彼の現象学研究についても、その成果を論文として公表することができた。
したがって、研究計画は全般として進展しており、研究目的も着実に達成されていると考えられる。
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| 今後の研究の推進方策 |
これまでおこなってきた「フッサール・ブック」の分析を継続し、彼が残した自筆原稿、草稿、書簡の調査をおこなう。これによって、アドルノの現象学理解と、イギリス滞在期間の研究の全貌を解明する。
また、イギリスのオックスフォード大学を訪問し、図書館に保管されている書簡と公文書の調査をおこない、調査中である「フッサール・ブック」との関連性を明らかにする。
一連の研究成果については、論文および学会発表により公表する。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
発注している物品が年度内に納入されなかったため、次年度に使用することとなった。
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