研究課題/領域番号 |
17K02201
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研究機関 | 独立行政法人大学改革支援・学位授与機構 |
研究代表者 |
土屋 俊 独立行政法人大学改革支援・学位授与機構, 研究開発部, 特任教授 (50155404)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 学術的誠実性 / 研究不正 / カンニング / 外注型不正 / contract cheating / NCAA / "cold war university" |
研究実績の概要 |
学術的誠実性の範囲を特定する作業を行った。「学術的」とされるもののなかには、「研究」と「教育・学習」の2つの側面があり、また、その側面に直交するものとして、個人における誠実性、組織における誠実性との区別が大きな枠組みを定めるていることを明らかにした。研究における個人の誠実性の問題としては、いわゆる改竄・捏造・剽窃(FFP)の行為が問題となり、すでに多くの調査、研究が行われているので、その状況を明かにした。しかし、教育・学習における個人の誠実性の問題である、学業不正については十分に研究がなされていないので、海外調査も含めてオーストラリアの事例を中心に検討し、とくに、外注型不正について問題の背景を明らかにした。この問題については、なお、諸外国及び日本の事例について調査を行った。また、教育・学習における組織としての誠実性の問題については、米国のある大学における運動選手に対するある種の優遇措置が明かに不誠実であったことを明らかにして、その対応の論理を検討した。また、同様に、FFPについては研究が進んでいるものの、大学組織として、軍事あるいは企業利益などを目的とする研究活動との関係を考える際の論点について整理した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は、たんなる事象の枚挙にとどまらない理論化を目的としているが、諸事象をとられる理論的枠組みがほぼ完成したという意味で順調に進展しているといえる。ただし、事象の収集については、当初の予定よりも若干遅れているといわざるを得ないので、「おおむね順調」と評価した。
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今後の研究の推進方策 |
令和元年度は最終年度になるので、秋までにとりまとめを行い、国際ワークショップを開催し、そこでのインプットをもとにして、最終的な成果物の完成につなげる。
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次年度使用額が生じた理由 |
旅費について、所属先業務のための出張(オーストラリア)の際に、必要な文献調査、聞き取り調査を行うことができたために、科研費からの支出が不要となった。
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