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2020 年度 実施状況報告書

江戸後期における陽明学文献の研究 ―佐藤一斎と大塩中斎を中心に―

研究課題

研究課題/領域番号 17K02209
研究機関早稲田大学

研究代表者

永冨 青地  早稲田大学, 理工学術院, 教授 (50329116)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2022-03-31
キーワード佐藤一斎 / 大塩中斎 / 陽明学
研究実績の概要

従来、日本の学者による陽明学関係の文献の包括的な目録が作成されたことはなかった。筆者はすでに、拙著『王守仁著作の文献学的研究』(汲古書院、2007)においてそのための基礎作業に着手し、学界に公開しているが、本研究期間中においては、より精密かつ包括的な目録を作成し、陽明学の原資料の日本への流入が、いかに江戸の思想界を活発化させたのかを明らかにすべく、調査を重ねてきた。また、そのように流入した原資料の中には、中国において散逸したものも多い。そのような散逸資料の翻刻による学界への紹介を、筆者はすでに開始している。また、この種の翻刻作業は、海外の学界を益することが多いため、その一部を海外に対して公開すべく準備中である。
本研究においては、上記のような文献学的研究に基づき、日本国内に収蔵される陽明学関係資料、そしてそれによって刺激を受け作成された、日本における陽明学関係の悉皆目録の作成を目指してきた。その過程において発見された新資料の紹介、翻刻などは、上述のごとくすでにその一部を公開しているが、本研究期間中に公刊されることがすでに決定している、『陽明影印叢書』において、その成果を全面的に世界の学界に対して公開すべく、鋭意準備中である。
上記のごとく、本研究計画に基づく調査は、基本的には順調に進行中ではあるが、コロナ禍のため、国内・海外における調査の一部が未完成の状態にある。コロナ禍が一段落するのを待って、計画の残りの部分を完成させるべく、目下その準備を進めているところである。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究を行うに際し、申請者は日本及び中国における調査を前提としてきた。研究期間の前半において、その調査は予定通りに行われ、新発見の文書を含む重要な発見があった。しかしながら、研究機関の後半においては、予期しなかったコロナ禍に災いされ、特に海外での調査が中断しているのが現状である。今年度においては、コロナ禍が一段落するのを待って、残りの調査を鋭意進めるべく準備中である。また、万が一それが行えなかった時に備え、前半期において発見した資料に基づく研究を進行させつつある。

今後の研究の推進方策

上述のごとく、コロナ禍のため中断している調査旅行の再開に備え、各図書館・所蔵機関の目録等によって、既知の情報の整理を行い、再開のおりには速やかに成果を挙げるべく準備をしている。また、コロナ禍が年内に治まらない最悪の場合に備え、すでに収集した資料のみでも成果を挙げられるよう分析に努めている段階にある。

次年度使用額が生じた理由

コロナ禍のため調査が終了していない内外の所蔵機関の調査を行い、その結果を研究成果として発表する。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)

  • [雑誌論文] 明清変革と林羅山・鵞峰2021

    • 著者名/発表者名
      永冨青地
    • 雑誌名

      『東洋の思想と宗教』38号

      巻: 1 ページ: 20-39

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 陳来著「有無之境―王陽明哲学的精神」について2021

    • 著者名/発表者名
      永冨青地
    • 雑誌名

      『環日本海研究年報』26号

      巻: 1 ページ: 59-68

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 佐藤一斎与朱子学的関係2020

    • 著者名/発表者名
      永冨青地
    • 雑誌名

      東亜朱子学新探;中日韓朱子学的伝承与創新

      巻: 1 ページ: 512‐523

    • 査読あり
  • [学会発表] 王守仁《大学古本傍釈》的日本受容 :以佐藤一斎与大塩中斎為中心2021

    • 著者名/発表者名
      永冨青地
    • 学会等名
      京都大学人文科学研究所研究班「清代~近代における経学の断絶と連続:目録学の視角から」
    • 国際学会 / 招待講演

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公開日: 2021-12-27  

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