台湾北部地域の烏頭道士の道教儀礼の調査・研究

2019 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 17K02210
• 研究種目: 基盤研究(C)
• 配分区分: 基金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 中国哲学・印度哲学・仏教学
• 研究機関: 奈良学園大学
• 研究代表者: 山田 明広 奈良学園大学, 人間教育学部, 専任講師 (80511683)
• 研究期間 (年度): 2017-04-01 – 2020-03-31
• キーワード: 道教 / 道教儀礼 / 烏頭道士 / 台湾 / 台湾北部地域 / 淡水 / 新竹 / 苗栗

研究成果の概要

本研究では、現地調査と文献読解を組み合わせた研究方法によって台湾北部地域の烏頭道士の道教儀礼の具体像を明らかにするとともに、同地域内での儀礼の差異および他地域の烏頭道士の儀礼との差異について検討した。本研究を通して、淡水地区の烏頭道士の儀礼は同地区の釈教（民間仏教の一種）の儀礼の影響を強く受けており、かつ民間習俗的要素の占める割合が高いが、一方、新竹・苗栗地区の烏頭道士の儀礼は、比較的道教儀礼の伝統の純粋性を保っており、台湾中南部の烏頭道士の儀礼とも内容的に近いということが明らかとなった。

自由記述の分野

中国哲学

研究成果の学術的意義や社会的意義

本研究は、以下の３点においてその学術的特徴がある。1.台湾北部地域の烏頭道士の道教儀礼というこれまであまり注目されていない事象に取り組み、明らかにしている、2.台湾において同系統の道士が行う儀礼にも地域差が存在するということを実証している、3.現地調査と文献読解を組み合わせた研究方法を用い、伝承系統という歴史的な縦の時間軸による視点と他の儀礼との相互影響という共時的な横の時間軸による視点の両方から研究対象にアプローチしており、その研究方法および研究視点が学際的かつ革新的である。