研究課題
本研究は、明清時代において書籍の重要な生産地であった江西省金渓県滸湾鎮の書籍出版の歴史に焦点を合わせ、文献調査の手法とフィールドワークに基づき、その地域の出版業の形成の歴史、各時期の発展状況、出版された主な書籍の内容を検討し、具体的な印刷技術・生産過程に関する考察を行うと同時に、印刷工房における材木の調達・版下の作成から、書店における販売に至るまでの経営組織や、全国的な書籍販売のネットワークについても明らかにしていきたい。今年度は今までに作成された金渓出版目録を補充・修正し、引き続き明清時代の滸湾およびその周辺地域の出版物を中心として原本の書誌調査を行い、さらにそれらの書物の内容・編纂過程、出版背景や出版した書肆について考察した。これらの調査研究を通して、金渓県滸湾鎮の書物の出版・印刷および販売に関して新たな知見を得ることができた。これらの研究成果の一部はすでに複数の学会で発表し、現在さらに資料を充実させつつ論文の作成を準備しており、近いうちに学術雑誌において公刊する予定である。
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What Is Han Scholarship?: With a Focus on the Han-Tang and Mid-to Late Ch‘ing Periods,ACTA ASIATICA:Bulletin of the Institute of Eastern Culture
巻: 120 ページ: 51-72
川原秀城編『漢学とは何か―漢唐および清中後期の学術世界』(アジア遊学249)、勉誠出版
巻: 249 ページ: 148-172