世界初となる『アビダーノーッタラ・タントラ』第37、50、51、52、58章と『成就法の大海』第8章の梵語校訂テキストと英語訳注を作成した。『アビダーノーッタラ・タントラ』第14、57章には先行する基礎研究があるが、それらに代わるより精緻な梵語校訂テキストと英語訳注を完成した。これらの文献の梵語一次資料を関連学会の他の研究者の方々に、英訳資料を他の研究者と一般の人々に提供できたことには、学術的・社会的意義が認められよう。同時に、それらの文献の思想内容(マントラ論と心身相関論)について初めて紹介したり、新たな事実・解釈を指摘したことは、インド思想史研究に対する一定の貢献になっていると考えている。
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