研究課題/領域番号 |
17K02238
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研究機関 | 阪南大学 |
研究代表者 |
守屋 友江 阪南大学, 国際コミュニケーション学部, 教授 (30340847)
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研究分担者 |
安藤 礼二 多摩美術大学, 美術学部, 教授 (20445620)
吉永 進一 舞鶴工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (90271600)
赤井 敏夫 神戸学院大学, 人文学部, 教授 (00192873)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 鈴木大拙 / 日本仏教グローバル化 / 禅の近代化 / 神智学 / 仏教思想の翻訳 / 東西思想交流 / ニューヨーク禅堂正法寺 / オープンコート社資料 |
研究実績の概要 |
昨年度に引き続き松ヶ岡文庫で研究代表者、研究分担者、研究協力者(海外研究機関所属の研究者を含む)による資料調査を行い、海外調査としては2018年9月にハワイ大学図書館所蔵のRobert Aitken Papersと、2019年3月にニューヨーク禅堂正法寺所蔵の資料調査と収集を行った。 国内調査の中間報告として学会発表を行った。日本宗教学会第77回大会では安藤礼二が個人発表、守屋友江と吉永進一がパネル発表を行った。西田幾多郎に関する科研グループのパネル発表があり、相互に情報交換を行った。また吉永進一は「明治仏教」研究会と日本新宗教史像の再構築 第1回公開研究会で個人発表を行い、赤井敏夫はThe International Yeats Society Symposium in Kyotoと神戸学院大学人文学会第21回研究会で個人発表を行った。 2019年3月7日には、代表者、分担者、研究協力者と関連の研究者が参加して鈴木大拙研究会公開ワークショップを開催した。プログラムは以下の通り。第1部「安藤礼二『大拙』を読む」:発題・末木文美士(日文研)、飯島孝良(親鸞仏教センター)、名和達宣(真宗大谷派教学研究所)、リプライ・安藤礼二、司会・井上克人(関西大)。第2部:発表・嵩宣也(龍大・院)「英訳仏書の黎明期における「真如」の訳語とその諸相」、司会とコメント・吉永進一。第3部:発表・長尾佳代子(大阪体育大)「南イリノイ大学のオープンコート社資料について」、司会とコメント・守屋友江。 単著として分担者の安藤礼二が『大拙』(講談社、2018年)を発表したほか、分担者および研究協力者が『松ヶ岡文庫研究年報』33号に資料調査の成果を掲載した。 研究打合せ会を2018年8月・9月、2019年3月に行い、これまでの収集資料の確認と今後の資料調査の段取りと担当者を検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
松ヶ岡文庫資料調査のうち、膨大な洋雑誌については整理とリストの修正をほぼ終了した。しかし未整理資料がまだかなり残っているので、整理と調査の必要な資料の優先順位を決めて作業を進めていく。 公益財団法人三菱財団による人文科学研究助成を得ることができたため、日本国内の資料だけでなく海外所蔵資料の調査に着手した。海外研究協力者から得た有益な情報をもとに、ハワイ大学およびニューヨーク禅堂正法寺にて新資料を発見することができた。 論文、学会発表、著書のいずれの形でも成果を発表することができた。公開ワークショップは関西在住の研究者を中心に、遠方や来日中の外国人研究者の参加が多数あり、有益な情報交換とディスカッションを行った。ワークショップ発表者の末木文美士氏、長尾佳代子氏に分担者になっていただいて最終年度の調査と資料の分析のための協力を依頼し、承諾いただいた。2019年度より分担者になっていただくことで、さらに研究を充実させることができる。
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今後の研究の推進方策 |
南イリノイ大学モリス図書館に鈴木大拙関連が数多く所蔵されていることが判明しており、2019年3月の公開ワークショップに参加いただいた長尾佳代子氏を分担者に追加して、資料調査を実施する予定である。長尾氏はモリス図書館所蔵の膨大なコレクションの調査経験があり、集中的な調査を行って資料収集を行う。また、仏教思想史に造詣の深い末木文美士氏に分担者に加わっていただき、鈴木大拙関連資料の分析と禅仏教グローバル化の意義について考察していただく。 2019年度は最終年度であり、これまでに収集した膨大な資料を整理・分析して、共同研究の成果として出版するための準備を進める。2020年は鈴木大拙と西田幾多郎生誕150年であり、それに向けての論文集完成を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
前年度からの繰越があり、また公益財団法人三菱財団の研究助成金の採択によって、当初よりも支出を抑えられたため、余乗が発生した。今回生じた次年度使用額については、旅費と人件費・謝金に使用する計画である。
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