研究課題/領域番号 |
17K02242
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研究機関 | 郡山女子大学短期大学部 |
研究代表者 |
何 燕生 郡山女子大学短期大学部, その他部局等, 教授 (00292186)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 道元 / 禅思想 / 中国 / 日本 |
研究実績の概要 |
「研究実施計画」に基づきながら、以下のような研究活動を実施した。 ①文献調査および寺院調査。まずは5月上旬に北京にある宗教文化出版社を訪問し、『正法眼蔵』中国語訳の改訂版の出版について打ち合わせをした。5月30日に『正法眼蔵』の修訂版が北京の宗教文化出版社から刊行された。引き続き、上海へ出かけ、関連寺院などにおける調査活動を行った。とくに『正法眼蔵』中国語訳を読みながら只管打坐を行っている坐禅の愛好者にインタビューを行ったことが特筆されるべきである。会社員が中心となるこの会は完全にフリーの愛好会であり、中国本土では200人程度いるという。今回は主に上海に住んでいるメンバーを中心にインタビューを行った。このインタビューの成果はそのうち研究会などで発表する予定である。その後、浙江省嘉興市へ出かけ、精厳講寺にてフィールドワークを行った。同寺の住職にインタビューも行った。とても充実した調査旅行だった。8月には寧波で開催された太虚関係のシンポジウムに出席し、研究成果を発表した。その発表を纏めた論文が『世界宗教研究』(2018年第1期)に掲載された。 ②国内における文献調査および研究成果の発表。文献調査については、主に京都および東京にて行った。研究成果の発表については、9月に東京大学で開催された、本人が所属している日本宗教学会で研究成果を発表した。また、11月に東洋大学で「現代中国における道元の発見」というテーマで発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
・調査(インタビューを含む)については、事前に先方に連絡を取っているため、予定していた調査がおおむねスムーズにできたこと。 ・研究発表については、授業とダブったりしなかったため、予定していた発表がおおむねスムーズにできたこと。
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今後の研究の推進方策 |
基本的に当初の「実施計画」に基づきながら、研究を進めていく予定であるが、さしあたり、前期の計画としては、5月に中国湖北省にある武漢大学で開催される予定の「Chan/Zen/Seon:禅の形成と世界における展開国際シンポジウム」(仮)に参加し、本課題に関する研究成果を発表してみたいと考えている。また、7月には前年度から実施している文献調査及びフィールドワークを引き続き実施たいと考えている。例えば『正法眼蔵』中国語訳の改訂版の出版を契機に、上海で出てきている「只管打坐の会」について調査し、その最新動向を把握したい。それらがスムーズに実施できるよう、事前に現地の研究協力者と連絡し、調査地での経路、目的などについての協力を確認することにしたい。夏休みには国内での文献調査を実施したい。さしあたり、京都および東京にある仏教系の大学付属図書館などに出かけ、本課題に関する文献資料を調査したいと考えている。 ・後半は、前年度と同様、本人が所属している日本宗教学会が9月に京都の大谷大学で開催される予定であり、パネルを企画し、台湾、中国大陸から研究者を呼び、パネル発表を行うことを計画している。
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