研究課題/領域番号 |
17K02244
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研究機関 | 舞鶴工業高等専門学校 |
研究代表者 |
吉永 進一 舞鶴工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (90271600)
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研究分担者 |
栗田 英彦 南山大学, 南山宗教文化研究所, 研究員 (10712028)
GAITANIDIS IOA 千葉大学, 国際教養学部, 助教 (90715856)
塚田 穂高 上智大学, 総合人間科学部, 研究員 (40585395)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 雑誌 / オカルティズム / 日本神学 |
研究実績の概要 |
2017年度は、資料収集と準備的な研究集会を実施した。資料については、國學院大学図書館などに所蔵されていた雑誌を調査し、1949年発行の『批判宗学』より1980年『日本神学』までのコピーを入手し、研究分担者全員で共有できたので、現在は各自がそれぞれの視点から調査分析中である。同時に『中外日報』など他の新聞、雑誌類での日本神学連盟同人たちについての記事も収集しつつある。研究会では、11月19日、京都大学人文科学研究所にて、日本秘教研究ネットワークの第1回研究集会を兼ねて「文献と経験:秘教思想の領域を探る」と題する研究集会を開催し、1980年代から90年代にかけての萌芽期のオカルティズム史研究についての回顧、神秘主義と秘教思想の比較についての発表があった。これによって『日本神学』研究の基盤となる秘教思想史という方法論について議論を深めることができた。2018年2月23日には、千葉大学国際教育センターにて、同ネットワーク第2回研究会を兼ねて「20世紀雑誌メディアとオカルティズム」と題する研究会を開催した。この研究会では戦前の霊術雑誌と戦後の一般向けオカルト雑誌についての研究者からの発表があり、雑誌という媒体でのオカルティズムの扱いについてより広い知見を得ることができた。また現代オカルト雑誌の編集者による講演があり、雑誌制作の現場から見た戦後オカルト雑誌の成立史について知ることができた。以上のように、2017年度は『日本神学』を文脈づけする上での参照点を得ることができ、来年度からの本格的な研究に向けて基礎固めができたと思われる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
『日本神学』と同時期の他の日本のオカルティズム雑誌については図書館での所蔵もほとんどなく、古書店での購入が頼りであり極めて入手困難である。また目次作成についても遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
今後、『日本神学』の出版元であった日本神学連盟についての調査を行う。第一に同連盟の所在地であった清水の近代宗教事情、第二に同連盟が誕生する直接の契機となった戦後の宗教間対話、第三に目次作成によってオカルト思想紹介の歴史、そして60年安保を軸とする政治的な展開という四点について研究調査を進める。同時代のオカルト雑誌類については、佼成図書館などを利用して入手できる範囲で参照していくこととしたい。2018年度も二回以上の研究会を開催して、他の領域の研究者も含め広い範囲での意見交換を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
必要な資料が古書店で見つからなかったために図書購入費があまったが、2018年度は資料購入にあてる。
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