ニュートン主義は固有の自然科学の領域を超えて、18世紀の知的世界を形作る一つの力として機能した。それは第1に、それが提示する、近代科学の数理的・実験的方法が、知識人による宗教的熱狂主義批判と結びつき、次第に公的言説圏で、経験と論理の言語のみで記述される「現実的なもの」の「文法」として働き始め、それによって「空想」から「現実」が明確に分岐し、そのうえで人間論と政治・経済・社会の見方、および技術と政策の言説が組み立てられるようになったという、知の科学化、第2に、無限宇宙の中の無数の世界というキャンバスの上で、人間存在に知的生命としての普遍性を見ることを求めた天文学的複数性論の2点についてである。
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