研究課題/領域番号 |
17K02254
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研究機関 | 京都工芸繊維大学 |
研究代表者 |
伊藤 徹 京都工芸繊維大学, 基盤科学系, 教授 (20193500)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 時間イメージ / 寺山修司 / 是枝裕和 / 柳宗悦 |
研究実績の概要 |
三年次となる本企画は、研究の進展を図るとともに、全体のまとめに取り掛かった。 まずは各項目に関する考察の推進は、いうまでもないが、かたちとなったものとしては、ミュンヘン大学日本センターのWebマガジンであるWorking Papers des Japan-Zentrums der LMU Muenchen, vol.1にZeit-Raum-Vorstellung in den Filmen von Ozu Yasujiroを掲載した。さらに所属大学で国際シンポジウムを主宰し報告するとともに、これをまとめるかたちで「場所としての器」と題する論考をシンポジウム報告書で発表した。またミュンヘンの出版社IUDICIUM-Verlagから近く出版される論集Film Bild Emotionの一部をなすVergangenheit,Das Selbstsein im Terayama Shujis Film sterben auf dem landの校正を完了した。以上も目的としてきた国際的発信であるが、計画されていた海外講演としては、レーゲンスブルク大学でUeber die kleinen Geschichten in den Filmwerken von Kore-eda Hirokazu、台中国立博物館のシンポジウムでは招待講演として「柳宗悦 民芸思想のモダニティー」を行った。 なお単著書籍出版に関しては、出版社の都合もあって、かなり早く進み、まもなく原稿を引き渡す予定で、それに向けて原稿の整理を行ってきた。本自体は、9月には上梓される。また11月にレーゲンスブルク大学で関連のワークショップを開催することで、当大学の研究協力者と準備をしてきた。こちらの方は、コロナ禍で実行は危ぶまれるが、その成果をドイツで公表することも企画しており、用意はしておくつもりであることを申し添えておく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
出版社との関係で出版を急ぐ必要があり、期間終了以前に成果の大半を公表できる。ただし、必然的にそれに伴って、公表できない部分も残される。これに関しては、別途公表手段を考えることにする。
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今後の研究の推進方策 |
もっとも心配なのは、コロナ禍の影響である。申請した計画には海外発信があるが、場合によって不可能になることも考えられる。それについては、期間の延長の申請などによって、なんとか実現を期したい。
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次年度使用額が生じた理由 |
前年度までと同様、全体の減額分(約30%)に配慮して、所属機関の定常的研究費で補填してきたため。繰り越し分は、最終年度における海外発信などの支出に充てる計画である。
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