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2019 年度 実績報告書

モデレート啓蒙主義の再考ーーメンデルスゾーンにおける啓蒙と宗教の両立可能性

研究課題

研究課題/領域番号 17K02258
研究機関佐賀大学

研究代表者

後藤 正英  佐賀大学, 教育学部, 准教授 (60447985)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワードメンデルスゾーン / 啓蒙主義 / ユダヤ教 / 国際共同研究 / 寛容 / カント / ローゼンツヴァイク / ハスカラ
研究実績の概要

本年度は、2018年度にイスラエルとアメリカから2名の研究者(ファイナー氏、ゴットリープ氏)を招聘して開催した国際シンポジウムの講演原稿の日本語訳を京都ユダヤ思想学会と日本ユダヤ学会の学会誌に掲載することができた。ユダヤ啓蒙思想に関する最新の研究成果を日本語で読むことができる資料を提供できたことは、日本の啓蒙思想研究にとって裨益するところが大きいものと考える。さらに、昨年の招聘の際に招聘研究者との面識を得た若手研究者たちは、その後も両氏との交流を深めており、本科研費は、国際共同研究のネットワーク強化に貢献することができたといえる。
国外では、ゴットリープ氏の支援のもとに、11月にニューヨーク大学にて、日本におけるドイツ・ユダヤ思想の受容に関する研究会を開催した。北海学園大学の佐藤貴史氏と私が登壇した。ニューヨークに滞在中には、レオ・ベック研究所やニューヨーク公共図書館のユダヤ部門を訪問し、現地のディレクターや司書の方のサポートを受けながら、文献収集を進めることができた。コロンビア大学では、ファイナー氏と並ぶユダヤ啓蒙思想の著名な研究者であるソーキン氏の講演を聴講する機会も得ることができた。
国内では、二つの学会での研究発表を通して、数ある啓蒙思想家の中でのメンデルスゾーンの独自性について明らかにした。日本宗教学会の個人研究発表では、ラーヴァターからの改宗要求に対するメンデルスゾーンの発言を分析することで、メンデルスゾーンが、それぞれの宗教が持つ偏見に対する相互寛容を強調している点に注目した。日本倫理学会の個人研究発表では、進歩思想に対するメンデルスゾーンの批判について考察した。メンデルスゾーンは、個々人の人生における道徳の向上は存在するが、人類全体についての道徳の進歩は存在しないと主張した。この主張は、カントとの著しい相違点を形成している。

  • 研究成果

    (15件)

すべて 2019 その他

すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (5件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件) 備考 (4件) 学会・シンポジウム開催 (1件)

  • [国際共同研究] ニューヨーク大学 ヘブライ・ユダヤ研究学部(米国)

    • 国名
      米国
    • 外国機関名
      ニューヨーク大学 ヘブライ・ユダヤ研究学部
  • [国際共同研究] バルイラン大学 ユダヤ学部(イスラエル)

    • 国名
      イスラエル
    • 外国機関名
      バルイラン大学 ユダヤ学部
  • [雑誌論文] ドイツのユダヤ哲学が辿った二つの道:モーゼス・メンデルスゾーンとフランツ・ローゼンツヴァイク2019

    • 著者名/発表者名
      ミヒャ・ゴットリープ
    • 雑誌名

      京都ユダヤ思想

      巻: 10 ページ: 136-175

  • [雑誌論文] モーゼス・メンデルスゾーン -神話、歴史、宗教的寛容を求めるユダヤ教徒の闘い-2019

    • 著者名/発表者名
      シュムエル・ファイナー
    • 雑誌名

      京都ユダヤ思想

      巻: 10 ページ: 176-197

  • [雑誌論文] ユダヤの伝統への挑戦2019

    • 著者名/発表者名
      シュムエル・ファイナー
    • 雑誌名

      ユダヤ・イスラエル研究

      巻: 33 ページ: 40-49

  • [雑誌論文] モーゼス・メンデルスゾーンの現代性2019

    • 著者名/発表者名
      ミヒャ・ゴットリープ
    • 雑誌名

      ユダヤ・イスラエル研究

      巻: 33 ページ: 50-69

  • [雑誌論文] 丸山空大『フランツ・ローゼンツヴァイク -生と啓示の哲学-』2019

    • 著者名/発表者名
      後藤正英
    • 雑誌名

      宗教研究

      巻: 93 ページ: 81-85

  • [学会発表] 不寛容を生き抜く技法 -メンデルスゾーンとラーヴァター事件2019

    • 著者名/発表者名
      後藤正英
    • 学会等名
      日本宗教学会
  • [学会発表] 道徳の進歩をどのように理解すべきか -カントとメンデルスゾーンの議論から考える2019

    • 著者名/発表者名
      後藤正英
    • 学会等名
      日本倫理学会
  • [学会発表] Modern Japanese Culture and Moses Mendelssohn2019

    • 著者名/発表者名
      Masahide GOTO
    • 学会等名
      Lunch Colloquium of Skirball Department of Hebrew & Judaic Studies at New York University
    • 国際学会 / 招待講演
  • [備考] 京都ユダヤ思想学会

    • URL

      https://sites.google.com/site/kyotojewish/

  • [備考] 日本ユダヤ学会

    • URL

      http://www.jewishstudiesjp.org/

  • [備考] ニューヨーク大学 ヘブライ・ユダヤ研究学部

    • URL

      https://as.nyu.edu/content/nyu-as/as/departments/hebrewjudaic.html

  • [備考] レオベック研究所・ニューヨーク、ニュース

    • URL

      https://www.lbi.org/news/Some-Lost-Some-Gained-in-Translation-Between-Japan-and-Judaism/

  • [学会・シンポジウム開催] Unexpected Affinities: Japanese Receptions Of German Jewish Thought & Culture2019

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公開日: 2021-01-27  

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