研究課題/領域番号 |
17K02265
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研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
曽田 長人 東洋大学, 経済学部, 教授 (50568053)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 人文主義 / 古典研究 / 思想史 / 戦争協力 / ナチズム / 古典文献学 |
研究実績の概要 |
研究の二年目に当たる2018年度は、初年度の資料の存在状況に関する調査に基づき、夏季の休暇を利用してドイツ、アメリカ合衆国の図書館・大学資料館(マールブルク大学図書館、ゲッティンゲン大学資料館、ゲッティンゲン市資料館、ベルリン大学資料館、グライフスヴァルト大学資料館、ライプツィヒのドイツ国立図書館、ハーヴァード大学図書館)を訪問した。そしてK.ツィークラー、W.シャーデヴァルト、W.イェーガーといった当該の人文主義者に関する(一次、二次)資料を収集(閲覧・複写・撮影)した。これにより、本研究の基礎と言える閲覧可能な資料のほぼ全てを閲覧することができた。資料の読解、論文の執筆といった研究成果の公開も一部、行うことができた。 今年度の資料収集に当たって大きな成果としては、以下の二点があげられる。第一に、ゲッティンゲン大学資料館、グライフスヴァルト大学資料館に所蔵されているK.ツィークラーの記録を閲覧でき、彼の大学での役割、ドイツ社会での評価を知ることができたことである。第二に、ハーヴァード大学図書館においてW.イェーガーによる膨大な量の遺稿を閲覧できたことである。その中に、ナチズムと直接関係のある資料は非常に少なかったが、1920年代から30年代にかけてのドイツの人文主義の状況を知る上で、重要な資料が含まれていた。 上の研究と並行して、W.イェーガーの主著『パイデイア ギリシアにおける人間形成』上巻の翻訳を刊行できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
資料の整理、読解と関わる。研究の初年度、二年目にわたって、研究の対象とする人文主義者について、非常に多くの(一次、二次)資料を収集(閲覧・複写・撮影)することができた。これらの収集した資料を整理、読解するのに予定を上回る時間を要し、研究成果の公表のための作業が予定よりもやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
第一に、夏季休暇を利用してドイツの大学資料館、図書館を訪問し、今までの資料収集で閲覧対象から漏れた資料を閲覧する(ミュンヘン大学資料館におけるハルダー、バイエルンアカデミー図書館におけるK.v.フリッツに関する資料など。経費は所属大学の研究費から支出する予定)。 第二に、今までに収集した資料の読解を行う。それを基に学会発表や所属大学の紀要等への発表、研究報告書の執筆を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
ゲッティンゲン大学資料館、ハーヴァード大学図書館等で、資料のデジタルカメラによる撮影が(一部)許され、費用のかさむ文献複写を依頼する必要がなくなったため次年度使用額が生じた。これについては、文献資料代に充てたい。
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