研究課題/領域番号 |
17K02266
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
思想史
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
合田 正人 明治大学, 文学部, 専任教授 (60170445)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 共和制 / シャルル・ルヌヴィエ / オーギュスト・コント / サン=シモン / 無限と有限 / 微分法 / 連続と不連続 / 間歇性 |
研究成果の概要 |
今回の研究は10数年前までほとんど顧みられることのなかったフランスの哲学者シャルル・ルヌヴィエ(1815-1903)の膨大な著作を精読することで、ルヌヴィエを中心に19、20世紀のフランス哲学史の書き換えをめざすものである。初年度は、ジャン・ヴァールの博士論文のなかにルヌヴィエと米国の哲学者ウィリアム・ジェイムズとの絆を見出すと共に、優れたルヌヴィエ論の著者フェディ氏を訪問、次年度は、パリで開催されたルヌヴィエ・シンポジウム「正しき共和制とは何か?」で、「間歇性」の視点からルヌヴィエの著述を取り上げた発表を行い、最終年度は、日仏哲学会での発表に加えて、モンペリエ大学のルヌヴィエ文庫で調査した。
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自由記述の分野 |
西洋思想史 ユダヤ思想史
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
シャルル・ルヌヴィエは批評家ジャン・カスーが「1848年人」と呼ぶ者に属し、生涯にわたって在野で「共和制」の維持に尽力した。そして今般、ルヌヴィエがフランスで再評価され始めたきっかけは、まさに現代フランスがつぶさに体験している深刻極まりない「共和制」の危機であった。社会的「較差」とは何か、「貧困」とは何か、この悲惨な社会のなかで「普遍的正義」をいかにして実現するのか。そこに「憐れみ」や「同情」といったものはどのように係るのか。ルヌヴィエ・シンポジウムにはフランスの元国民教育相も参加していた。これらの問題は日本においても深刻である。一哲学者の研究それ自体が社会的意義を持つと考える次第である。
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