研究課題/領域番号 |
17K02271
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
桂島 宣弘 立命館大学, 文学部, 教授 (10161093)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 史学思想史 / 東アジア史 / 帝国と植民地 / トランスナショナル・ヒストリー / 儒学・朱子学 |
研究実績の概要 |
東アジアにおける史学思想を中心とした知のネットワークを、同じく現在の知のネットワークの構築によって明らかにしていくという本研究は、2018年度は中心的年度として多くの成果を挙げることができた。先ず、東アジア思想文化研究会(東アジア史学思想史研究会)を前期を中心に合計6回開催した。開催日と報告者は以下のとおり(氏名等の公表は許可を得ている)。①2018年5月11日「京城帝国大学哲学科について」許智香(東京大学特別研究員)②2018年5月25日「日本近代歴史学の植民地的変容について--崔南善と記紀神話研究」沈煕燦(立命館大学コリア研究センター客員研究員)③2018年6月15日「井上哲次郎と近代陽明学研究の展開」古文英(立命館大学大学院)「18世紀中期の儒学研究と明代学術の受容」石運(立命館大学大学院)④2018年6月18日「戦後京都における国民教育論の展開」富山仁貴(関西学院大学大学院)⑤2018年6月23日「前期水戸学における易姓革命論と神器正統論」田中俊亮(教育者)⑥2018年6月29日「植民地期朝鮮キリスト教会の『自立』をめぐる諸相--1930年代の神社参拝拒否問題と『自立』」裵貴得(立命館大学)「植民地朝鮮の新宗教と日本仏教--新都内の真宗本願寺派同朋教会と金剛大道を中心に」朴海仙(立命館大学大学院)。後期は後述する中国南開大学、韓国済州大学校、韓国高麗大学校、韓国全州大学校との国際シンポが開催され、本年度の科研費の過半はこれら中韓の研究者の招聘、研究会開催費に用いられた。また、研究代表者は、中国厦門大学で研究報告を行うとともに、本研究のひとまずのまとめとして二冊の著書を刊行することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
一年を通じて、東アジア思想文化研究会(東アジア史学思想史研究会)を精力的に開催し、四度に及ぶ国際シンポジウムも開催し、国内外の研究者との活発な意見交換を行うことができた。また、これらに基づく研究代表者の研究成果について、二冊の単著としてまとめることができたことは大きな成果であった。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、東アジア思想文化研究会を開催し、また厦門大学との国際シンポジウムを実施する(2019年8月8日開催予定)。この他、本研究全体のとりまとめとして、研究代表者が編者となっての『東アジア 遭遇する知と日本』(文理閣。2019年5月刊行予定)、『季刊日本思想史』(ぺりかん社、2019年10月刊行予定)を刊行し、成果の公表を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
中国南開大学との国際シンポジウムでの支出額が予定よりも低く押さえられたため。これについては、2019年度に予定されている厦門大学との国際シンポジウムの開催に関わる費用として使用される計画である。
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