研究実績の概要 |
本年度は、(A)ドイツの批判理論:ハーバーマス、(B)ドイツの批判理論:ホネット、(C)アメリカの批判理論を分析・検討した。 (A)ハーバーマス研究に関して、論文「ハーバーマスにおける討議の政治理論――『事実性と妥当性』における」を掲載した『ハーバーマスを読む』(ナカニシヤ出版)を出版した。報告‘J.Habermas’ Theory of Civil Society, and East Asia’を、国際シンポジウム“Ecological- Friendly Welfare States and Civil Society in Asian Countries”(立命館大学)で行った。 (B)ホネット研究に関して、ホネットのドイツ語著作『社会主義の理念』の分担分を翻訳し入稿した。また、その内容も分析し「あとがき」を執筆中である。 (C)アメリカ批判理論研究に関して、「〈インタビュー〉アメリカ批判理論の発展と今日の課題――マーティン・ジェイに聞くーー」を『思想』2020年5月号に掲載した。『アメリカ批判理論:新自由主義への応答』(マーティン・ジェイ/日暮雅夫共編、晃洋書房)を出版した。そこでは、ジェイの「序文」、論文、W.ブラウンの論文を翻訳し、「解題 新自由主義から権威主義の批判へ」において、アメリカ批判理論が、新自由主義批判から権威主義批判へと至っていることと分析した。この共編著に関連して、個人研究発表「新自由主義から権威主義の批判へ――M.ジェイ・日暮雅夫共編『アメリカ批判理論』の意義」(社会文化学会第23回大会、2020年12月)を行った。また、オンライン・ワークショップ「アメリカ批判理論からの挑戦」『アメリカ批判理論』出版記念イベント(2021年3月)を企画して実施・司会し、そこで報告「全体の構想:新自由主義から権威主義の批判へ」を行い、広く一般の方々と討議した。
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