研究課題/領域番号 |
17K02280
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
Gerald Groemer 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (50303392)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | ウィーン / ウィーン会議 / 音楽 |
研究実績の概要 |
平成30年度にはまず夏季休暇を利用することによって渡欧し、ウィーンの図書館、資料館、公文書館などに所蔵されている研究テーマに関連する日記類、書簡、文書、新聞、雑誌、著書などを調査し、研究に役立つと思われる箇所を撮影した。帰国後には、撮影した写真の文章を解読し分析を行い、「1814年~1815年のウィーン会議と音楽一」(正編・続編)と題される二編の学術論文を執筆し『山梨大学教育学部紀要』で刊行した。
研究の過程でとくに以前にも少し着手したマティアス・ペルトの日記が有効な史料であることを再度確認した。ペルトの日記は59巻に及ぶ巨大な史料であるので、それを少しずつ撮影し、解読、分析することにも力を入れているところである。この未刊のドイツ語で書かれた日記はドイツ語圏にも翻刻されておらず、そこに含まれている音楽に関係する箇所を抽出し、翻刻・解説する研究を行っており、将来にはそれも論文の形で発表する予定である。
今までの資料調査と分析によって平和条約を締結するために1814年から1815年ウィーン会議が催され、ヨーロッパ諸国から数多くの国王、軍司令官、外交官などがウィーンに集まったことが分かった。そこには音楽演奏に大きな関心を寄せる者も多く含まれていた。執筆した論文日本には、会識が開催された時期のウィーンにおいて、どのような演奏会が開かれたのか、会議参加者がどのような音楽に触れる機会に恵まれたのかについて具体的に分析している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究が順調に進んでいるが、ウィーンの図書館、資料館、公文書館には膨大な数の有効な史料が所蔵されており、その全体像を充分に把握するためにはさらなる調査・収集活動が不可欠である。また現在まで調査・収集できた史料のほとんどはウィーン会議前後(つまり1814-1815年)のものであり、研究の年代的幅を拡大することも望ましい。
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今後の研究の推進方策 |
以上にも述べた通り、ウィーンの図書館、資料館、公文書館には膨大な数の有効な史料が所蔵されているので、さらなる調査・収集活動を行う予定である。2019年の夏季休暇を利用し、再度現地に足を運び、去年には調査、閲覧、撮影できなかった史料を調査・収集し、本年の論文執筆に生かす予定である。また、研究の年代的幅を拡大するためには他の未刊の日記類をはじめ、作曲家、演奏者、演奏会関係者などの書簡と著作をも調査することも望ましい。
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次年度使用額が生じた理由 |
年度使用額は昨年度で旅費(航空券の金額と宿泊費)の節約した分を次年度に繰り越し、次年度に渡欧する際に必要な経費に賄う予定である。
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