研究課題
基盤研究(C)
本研究は「洋楽器導入後の明治期から昭和前期にかけてのピアノ製造に着目し、その発展メカニズムと音楽文化のかかわりを読み解き、さらにそれを国際的な文脈に置き直す」ことを目的としたものである。文化に根差した製品である楽器を、異なる文化を持つ国が取り入れることは困難が伴うが、日本ではそれが遂行されたばかりか、きわめて短期間のうちにその楽器を量産し、明治期から諸外国に輸出するに至った。それが戦後日本のピアノ産業が急成長する際の土台となったということを、研究を通して明らかにした。
音楽学
本研究は日本のピアノ製造に着目し、その独自の発展メカニズムと音楽文化とのかかわりを読み解き、さらに、それを国際的な文脈に置き直したことに意義がある。明治末年にすでに日本の楽器輸出が米国にとって脅威になっていたことが新たに分かり、戦後の日本のピアノ産業の驚異的な発展の基礎が戦前にすでに形作られていたことが実証された。