研究成果の概要 |
16世紀イタリアの人文学者ジローラモ・メーイは,世紀末のオペラ誕生に間接的に理論的基盤を与えた人物として,音楽史上に名を留めるが,そのような歴史の結果からでなく,彼の学問的営為の本体を見極めるのが,本研究の目的であった.1年の期間延長を含めた4年間の研究から,彼の古代音楽観が,音楽理論書の客観的読解に基づきながらも,自身の理想を投影する面を有しており,一つの音楽美学と言ってよいことが明らかになった.その成果を英語著書Girolamo Mei, A Belated Humanist and Premature Aesthetician(2021年2月,勁草書房,学術図書)にまとめることができた.
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