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2021 年度 実施状況報告書

長唄の旋律形成に関する学際的研究

研究課題

研究課題/領域番号 17K02293
研究機関日本女子大学

研究代表者

配川 美加  日本女子大学, 文学部, 研究員 (10787344)

研究分担者 高桑 いづみ  日本女子大学, 文学部, 研究員 (60249919)
坂本 清恵  日本女子大学, 文学部, 教授 (50169588)
星野 厚子  独立行政法人国立文化財機構東京文化財研究所, 無形文化遺産部, 客員研究員 (90727182)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2023-03-31
キーワード長唄 / 一節切 / 鷺娘 / 相生獅子 / 音声アクセント / 糸竹古今集 / 糸竹五色貝 / 桜井譜
研究実績の概要

2021年度は本研究にとって最終年度となるはずで、これまでの研究成果に基づき長唄の旋律形成の特徴をまとめ、成果を報告書にまとめて関係機関に配布する予定だった。
しかし、2021年度もコロナ禍に見舞われ、4月に第1回研究会をオンラインで行う。5月、報告書に入れる「今藤政太郎師聞書き」の内容確認のため、今藤政太郎師宅にて聴取。6月、日本女子大学で久しぶりに対面の研究会を行い、江戸時代の長唄の旋律を明らかにするため、『糸竹古今集』『糸竹五色貝』に所収された長唄曲を一節切譜から五線譜に訳譜することを計画。また6月から8月にかけて数回にわたり、東京芸術大学附属図書館、早稲田大学演劇博物館、宮城道雄記念館、西尾市岩瀬文庫で一節切譜を調査・撮影。7月・9月には本研究に必要な長唄の桜井譜を東京藝術大学音楽学部邦楽科において調査・撮影。一方で、各自、一節切譜の五線譜への訳譜、報告書の原稿執筆を進めた。
また、2022年2月19日、日本女子大学文学部・文学研究科学術交流企画のシンポジウムで、今年度取り組んできた一節切譜に焦点を当て、「一節切譜の復元からみた長唄の旋律」として、高桑「文政期の一節切譜板行事情-「糸竹古今集」「糸竹五色貝」をめぐって-」、配川「長唄《鷺娘》の伝承」、坂本「長唄《鷺娘》の旋律におけるアクセント」、星野「長唄《相生獅子》の伝承」の講演を一節切と三味線の実演を交えて行い、最後に長唄《鷺娘》の演奏を星野が中心となって行った。
結局、コロナの収束は見込めず、予定していた松浦資料博物館(長崎県)での資料調査の見通しもたたないため、さらに1年の延長を願い出ることにした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2021年度は、江戸時代の長唄の旋律を知る唯一の資料とも言える一節切譜『糸竹古今集』『糸竹五色貝』に焦点を当て、一節切譜を五線譜へと訳譜し、その結果、リズムは記されていないものの、旋律の並び方は、その二書が刊行された文政期と現行の伝承とでほぼ同じことが判明した。また、演奏者に一節切で一節切譜の長唄の演奏をお願いした結果、音の細かい調整により、現行の伝承により近い演奏が可能であることも確認することができた。

今後の研究の推進方策

本研究の報告書について準備を進めてきたところ、2022年度、日本女子大学総合研究所から『日本女子大学叢書』として100万円の助成を受けることになった。そこで、今年度は報告書『長唄の伝承―能・一節切・日本語からみる学際研究』(仮題)の公刊を目指し、収録予定の既発表の論文や昨年度執筆した原稿の見直し、新たな原稿の執筆、一節切譜の訳譜の検討・浄書などを集中して行う。また、報告書には掲載しない一節切譜の訳譜の検討・浄書も行って、こちらは別に楽譜集として刊行を目指す。

次年度使用額が生じた理由

2021年度もコロナ禍で、松浦資料博物館の調査を始め、予定した活動ができなかった。結局1年延長することになったため、次年度使用が生じた。2022年度は、報告書の公刊に向けて一節切譜を五線譜化して、その浄書の謝金などに科研費を使用する。また、それとは別に五線譜集を刊行する予定で、その費用に科研費を使用する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うちオープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] 長唄《鷺娘》の旋律にみるアクセントー一節切譜と三味線譜からー2022

    • 著者名/発表者名
      坂本清恵
    • 雑誌名

      『論集』

      巻: ⅩⅦ ページ: 1-15

    • オープンアクセス

URL: 

公開日: 2022-12-28  

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