研究課題/領域番号 |
17K02306
|
研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
門林 岳史 関西大学, 文学部, 准教授 (60396835)
|
研究分担者 |
篠木 涼 立命館大学, 文学部, 授業担当講師 (00536831) [辞退]
唄 邦弘 京都精華大学, 芸術学部, 講師 (30792329)
岡本 源太 岡山大学, 社会文化科学研究科, 准教授 (50647477)
松谷 容作 國學院大學, 文学部, 准教授 (60628478)
増田 展大 立命館大学, 映像学部, 講師 (70726364)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
キーワード | ポストヒューマン / ヒューマニズム |
研究実績の概要 |
昨年度に引き続き本研究課題メンバーで月例の研究会を開催し、関連する重要な文献の講読やそれぞれの研究課題についての議論を進めた。その成果を発表する場として公開の科研費研究会「批判的ポストヒューマニティーズの射程」(2019年3月17日、関西大学)を開催した。本研究会では本研究課題の研究分担者である岡本源太(「ヒューマニズムとは何であったのかーールネサンスと現代」)、唄邦弘(「ポストヒューマニズム時代におけるヒューマニズムについて」)および研究協力者の篠木涼(「ポストヒューマニティーズ状況における政府の芸術助成金の哲学に向けて」)がそれぞれ研究発表を行い、当該研究分野の専門知識を有する宮﨑裕助氏(新潟大学)をコメンテーターに迎えて活発な意見交換が交わされた。 また、本研究課題メンバーの共同作業の成果として、本研究課題にとってもっとも重要な先行研究のひとつであるロージ・ブライドッティ(ユトレヒト大学)の著作『ポストヒューマン――新たな人文学に向けて』(フィルムアート社)の翻訳書を刊行した。その他の成果として、本研究課題と関連の深い活動をしているアーティストである高嶋晋一と中川周を迎えて映像作品上映/プレゼンテーション「あたかも二本の矢が正反対の方向に飛び去ったあとの点のように」(2019年2月8日、岡山大学)を開催した。また、共催企画として、マット・ロダー(エセックス大学)講演「タトゥー・アート・アーカイブ――身体とその展示を考える」(2019年3月25日関西大学)を開催した。 その他、研究分担者の増田展大、松谷容作が国際学会において本研究課題と関連する研究発表を行うなど、本研究課題の成果を国際的に発信する機会を持つことができた。他にも研究メンバーが本研究課題と関連する共著作、論文を発表した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究会「批判的ポストヒューマニティーズの射程」の開催、メンバーによる国際学会での発表、本訳書『ポストヒューマン――新たな人文学に向けて』や共著、論文の刊行により、初年度より進めてきた本研究課題の成果を発表する機会を十分にもつことができた。なお、当初の研究計画において2018年度ないし2019年度に実施を予定していた国際的な学術会議については、研究の進捗状況、招へい研究者の事情などを鑑みて、2019年度の開催に向けて準備を進めた。
|
今後の研究の推進方策 |
2018年度ないし2019年度に実施を予定していた国際的な学術会議を「Posthumanities in Asia: Theories and Practices」というタイトルのもと、2019年6月8、9日に開催する。本会議には基調講演者ロージ・ブライドッティを含め30人弱の講演者・発表者が参加し、また、研究分担者の大貫菜穂、唄邦弘も研究発表を行う予定である。その他、引き続き研究メンバーの定期的な研究会を開催し、また、学会発表、論文執筆などで個別に研究成果を公表していく予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
2018年度ないし2019年度に国際的な学術会議を開催する予定で、2018年度にそのための予算を配分していたところ、2019年度に開催することになったため、それに相当する額を次年度に繰り越すかたちになった。なお、本国際会議については関西大学の補助金も別途申請しており、十分な資金的根拠をともなって開催できる見込みである。
|