| 研究課題/領域番号 |
17K02307
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| 研究機関 | 尚絅大学短期大学部 |
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研究代表者 |
森 みゆき 尚絅大学短期大学部, その他部局等, 講師 (00738552)
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| 研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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| キーワード | 西洋音楽受容 / 明治 / 地方都市 / キリスト教 / 学校 / 仏教 / 楽隊 |
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| 研究実績の概要 |
当該年度では、本研究の要である新聞資料調査、楽器調査（明治から昭和初期に製造、熊本県下に現存)、その他の資料収集を精力的に行った。新聞調査では、西洋音楽に関連する記事を網羅的に収集、整理したが、その結果、明治期の地方都市における西洋音楽受容のモデルを提示することができる準備が整った。特に学校教育との関連性については、緻密な調査で得られたリアルな状況とその変遷を提示し、また歌われていた曲の分析を行い、それがどのように一般大衆に伝播したかを検証する。さらに、楽隊についても地方都市における発生と伝播の実態が明らかになった。
当研究では、西洋音楽受容の拠点となった施設（学校、教会、商業施設、外国人関連施設等）や人物に焦点をあて、その資料収集も行っている。重要な拠点の一つとして考えている熊本市の長崎書店からは明治から昭和期の重要な資料を発見、リデル・ライト両女子顕彰会の資料から当該研究の資料を収集、天草市の教会から資料発見、山鹿市の木村ピアノの資料収集と整理等、次年度以降の発表のための資料収集と整理を行った。特に天草市においては貴重な資料の発見ができ、またこれについては長崎との関連性を研究できる新たな視点を得ることができた。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当研究は①新聞調査、②楽器調査、③洋楽受容の拠点を中心とした資料収集という３つの柱を据え、研究を進めている。①に関しては明治21年創刊の九州日日新聞に予想を遥に超える資料があり、明治20年以前の新聞に着手できていない状況であり、これについては次年度に行いたい。②に関しては、地域を拡充することで、楽器とそれに関連する貴重な資料を得ることができた。ただ、当初、当該年度に予定していた仏教寺院への調査がまだ準備段階であり、次年度に行うことになる。③に関しては、いくつかの拠点に関しては非常に貴重な資料を発見することができ、その他についても膨大な資料を得ることができた。ただ、平成28年度におきた熊本地震の影響で全壊したジェーンズ邸、展示資料を他に移している五高記念館の資料等に関しては未着手の状態である。
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| 今後の研究の推進方策 |
平成30年度は、前年度に引き続き、収集した資料の整理、さらなる資料収集を行うとともに、研究成果の発表として連続性のあるレクチャーコンサートを数回行う予定である。演奏会場をコンサートホールではなく、楽器が当時使われていた場所で行いたいため、現在楽器所有者等と準備を進めている。
資料収集の点では、熊本県下に関しては、長崎書店に関する新聞資料と現存する帳簿等の資料整理、山鹿ピアノ創始者の御家族と現存するピアノを修復した調律師からの聞き取り調査と散逸する資料の整理、リデル・ライト両女子顕彰会の資料の整理、仏教寺院に現存するオルガン調査、天草の教会群に現存する楽器調査等を進める。また、天草との関連性から長崎に関する調査を進める。長崎についても熊本と同様の手法で、学校や教会、外国人関連施設、仏教寺院への楽器調査等と資料収集に着手する予定である。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
当該年度に予定していた仏教寺院関連の調査と資料収集が完了していない。これに関連する諸費用が次年度使用額に相当する。
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