江戸時代後期から戦後までの綴織の発展の流れの中で、ターニング・ポイントとなった三つの時期の作品の材質・技法・表現と外来要素の受容がどのように関連していたかを明らかにすることを、本研究は目的としている。そして、(1)江戸後期、(2)明治から昭和初期、(3)第二次大戦後の3つの時期を代表する作例や制作者を一次史料、現物資料、作家へのインタヴィューを通して調査した。(1)では中国、日本、フランドル、(2)は中国、日本、フランス、(3)は日本、ヨーロッパ、イスラム圏、アンデスの要素が選択的に混交されながら作品が制作された様態を明らかにした。
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