研究課題/領域番号 |
17K02327
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
南後 由和 明治大学, 情報コミュニケーション学部, 専任准教授 (10529712)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | コンスタント / ニューバビロン / 展覧会 / 模型 / 地図 / スケール |
研究実績の概要 |
1.オランダやフランスを中心とするヨーロッパ、そしてアメリカやイギリスなどの英語圏それぞれの国において、コンスタント・ニューウェンハイスに関する先行研究が展開されてきた文脈は異なる。そのため、コンスタントに関する先行研究を、(1) フランスの美術批評家ジャン・クラランス・ランベールらによる概説史、(2) オランダのウィレマイン・ストクヴィスやマルセル・ヒュームリンクによるオランダ実験グループやコブラを対象としたオランダの戦後美術史、(3)シチュアシオニスト・インターナショナル研究、(4)英語圏におけるマーク・ウィグリーらによる建築史・建築論、(5)展覧会図録の5つの文脈に分類して整理した。なかでも(5)に関しては、コンスタント財団のアーカイヴ整備と連動するかたちで2010年代に複数開催されたニューバビロンの大規模な展覧会のうち、主にマドリードのソフィア王妃芸術センターとデン・ハーグ市立美術館での展覧会の内容について資料収集と分析を進めた。
2.コンスタントが地図制作に着手するようになった理由を含め、さまざまなディシプリンおよびメディウムを横断するニューバビロンのプロジェクトにおける地図制作の位置づけはこれまで十分になされてこなかった。そこで前期ニューバビロンにおける模型の制作を中止し、後期ニューバビロンにおける絵画の制作に回帰する過渡期にあたる中期ニューバビロンの地図制作に着目し、建築のスケール(尺度)をめぐる建築的思考と、地図のスケール(縮尺)をめぐる地理学的想像力との関係性について考察した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
昨年度に引き続き、新型コロナウイルス感染症の影響により、オランダ国立美術史研究所(RKD)のアーカイヴなどの各種図書館や美術館における資料収集を進展させることができなかった。そのため、「(3)やや遅れている。」と評価した。
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今後の研究の推進方策 |
オンラインでアクセスできるコンスタント財団などのアーカイヴを通じて、コブラ時代からニューバビロンに至るまでの図版の整理を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
昨年度に引き続き、新型コロナウイルス感染症の影響により、オランダをはじめとする海外の図書館や美術館からの資料収集ができなかったため、次年度の研究費は資料収集費や本研究課題の成果発表に向けて必要となる図版の版権使用料などに使用する予定である。
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