17世紀前半に制作された源氏絵、平家絵などの物語絵を調査対象とし、流派間のイメージ共有と様式の混交の状況、物語絵の定型化を促進した媒体としての扇絵や版本挿図の影響、尾張徳川家をはじめとする近世大名家における絵画の需要状況を検討し、その一端を明らかにした。国内外で作品調査を重ね、メトロポリタン美術館所蔵「源氏物語絵巻」(伝海北友雪筆)の作者の再検討と再評価、これまで詳細な作品研究がなされていなかった、フーリア美術館所蔵「酒呑童子絵巻」、今治市河野美術館所蔵「源平合戦図屏風」等の詳述紹介を行った。期間中4本の論文を刊行(ほか刊行予定1本)、招聘講演(口頭発表)2回を通じて、成果公開を行った。
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