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2017 年度 実施状況報告書

模本制作の第一人者・田中親美を中心とした近現代の書の受容に関する基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 17K02338
研究機関独立行政法人国立文化財機構東京国立博物館

研究代表者

恵美 千鶴子  独立行政法人国立文化財機構東京国立博物館, 学芸企画部, 室長 (60566123)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード書跡 / 書道 / 古筆 / 模本 / 近代美術史 / 田中親美
研究実績の概要

(1)田中親美制作の模本・複製本の所在確認とデータ収集:田中親美が制作した模本について、これまで展示や論文などで紹介された記録から所在を確認していく作業を行った。そのほか所在に関係するようなデータを収集し、デジタルデータとして入力した。
(2)模本の比較調査:東京国立博物館が所蔵する「平家納経模本」(原本は広島・厳島神社蔵)一組全33巻と別本1巻を、大倉集古館が所蔵する同じ模本一組と並べて比較を行った。調査参加者:連携研究者の島谷九博館長、研究協力者の大倉集古館・田中学芸員、徳川美術館・安藤学芸員、大和文華館・古川学芸員、織物文化館・小柳学芸員。また、調査には、田中親美遺族も出席し、聞き取り調査も同時に行った。この調査においては、同じ作品の模本においても違っている点が多く確認された。
(3)模本の実見調査:個人所蔵の田中親美制作模本の実見調査を実施した。とくに、前記の「平家納経模本」の別本の実見調査も行うことができた。
(4)関係資料・情報の収集:生前に田中親美が発言した記録や雑誌・図録等資料より、関係する内容の記事を抜き出し、データ化を進めた。また、模本や原本の所蔵先と連絡打ち合わせをして、情報収集を行った。
(5)本研究の成果を論文で発表した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

3年計画の1年目は、まず、田中親美が関わった模本や複製本の所在情報を収集した。以前より蓄積してきた所在情報に加えて、あらたに8件の所在を確認できた。また、大倉集古館が所蔵する模本との比較調査を実施した。書跡、絵画、染織に関わる研究者に参加してもらうことで、比較調査を多角的に進行することができた。同時に、親美遺族からの聞き取り調査も実施できた。関係模本の実見調査や関係資料の情報収集も着実に進めることができ、早々に成果を論文で公開できたことは当初計画を十分に達成できたといえる。

今後の研究の推進方策

田中親美が関わった模本や複製本の所在情報をより収集し、データベース化を進める。また同時に、それらの模本類の実見・比較調査を行い、関連作品の調査も進めることから、その歴史的意義を検討する。以上の研究成果をすみやかに論文で発表するとともに、東京国立博物館において展示を企画し、成果を広く普及するように努める。

次年度使用額が生じた理由

関係者への聞き取り調査・打ち合わせについて日程調整がうまくいかず、次年度へ持ち越しとなったため。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2018 2017

すべて 雑誌論文 (3件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 世尊寺家の書02 藤原定信筆 戊辰切2018

    • 著者名/発表者名
      恵美千鶴子
    • 雑誌名

      ビオシティ

      巻: 73号 ページ: 110-113

  • [雑誌論文] 世尊寺家の書03 藤原伊房筆 藍紙本万葉集2018

    • 著者名/発表者名
      恵美千鶴子
    • 雑誌名

      ビオシティ

      巻: 74号 ページ: 108-111

  • [雑誌論文] 三十帖冊子の歴史2018

    • 著者名/発表者名
      恵美千鶴子
    • 雑誌名

      仁和寺と御室派のみほとけ

      巻: 00 ページ: 245-248

  • [学会発表] 藤原行成の書とその系譜2017

    • 著者名/発表者名
      恵美千鶴子
    • 学会等名
      第57回現日書展講演会
    • 招待講演
  • [図書] 禁裏・公家文庫研究 第六輯2017

    • 著者名/発表者名
      恵美千鶴子(共著)
    • 総ページ数
      410
    • 出版者
      思文閣出版
    • ISBN
      978-4-7842-1890-5

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公開日: 2018-12-17  

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