研究課題/領域番号 |
17K02355
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研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
渡沼 玲史 一橋大学, 大学院法学研究科, 助手 (50419751)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 集団即興 / 即興 / コミュニケーション / ダンス / 舞踊 / ウィリアム・フォーサイス / 実践的ワークショップ |
研究実績の概要 |
本年度はダンサーへのインタビューと文献調査を行った。インタビューは元フォーサイス・カンパニーの島地保武氏にご協力いただいた。インタビューでは10人のダンサーが即興で踊る4種類の各15分間の集団即興の映像を見ながらお話を伺った。動きや動きのための発想はもちろん、そのときに何を目的として即興を行っているのか、発想をダンスという形にするときに何が必要なのか、というこれまであまり触れられてこなかったことを知ることができた。集団即興を行う際にはダンスや動きを他者に対するメッセージとして成立させることが重要である。それが他のダンサーに対するメッセージとなると同時に、それらがやり取りされることで観客はダンスを単なる個々の身体の動きを超えたコミュニカティブなものとして見ることが可能になる。舞台芸術としてのダンスはそもそも他者に対するメッセージとなりうる動きによって構成されるものであり、集団即興においてもその基本が変わらないことが分かった。 また、文献調査ではさまざまな文献資料からフォーサイスのフィジカル・テクニックについて記載されている箇所の抽出と分析を進めた。特にフォーサイスがリリースした『インプロヴィゼーション・テクノロジーズ』の分析をすすめた。『インプロヴィゼーション・テクノロジーズ』はこれまで即興のための発想法を示すものとして理解され分析が進められてきた。しかし、『インプロヴィゼーション・テクノロジーズ』には副次的ではあるがフィジカル・テクニックに触れている箇所があり、本研究ではフィジカル・テクニックに焦点をあて抽出して分析した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の研究計画ではAMANCIO GONZALEZ氏にもインタビューを行う予定であったが実行できなかった。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度中に行う予定であったAMANCIO GONZALEZ氏へのインタビューを行うとともに平成30年度に行う予定であったインタビューを行う。またインタビュー調査の結果を分析し随時学会などで発表するとともに、学術誌に論文を投稿する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
AMANCIO GONZALEZ氏のインタビューを行えなかったため。AMANCIO GONZALEZ氏へのインタビューは平成30年度中に実施する予定である。
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