本年度もやはりコロナ禍の影響もあり、海外から複数のダンサーを招いて実践的なワークショップを実施することはできなかった。そこで研究計画を変更しダンサーが即興的なコミュニケーションをとっている際に用いている非言語的なコミュニケーションの中でも動作の質 がコミュニケーションに与える影響について、検証することにした。動きの質を評価するにあたって言語、特にオノマトペが持つ質とダンスの動きの質との関係を明確にするための方法について検討した。ダンサーがオノマトペを即興で踊った映像資料を用いて延べ3000人を対象にした知覚実験を行い結果を検証し、動きの質をコミュニケーションの用いる際の特徴について検証した。 研究期間全体を通じて集団即興時にダンサー同士が行っているコミュニケーションについての研究を実施した。集団即興を実践するダンサーへのインタビュー、文献調査を通じて即興ダンスにおける他のダンサーとのコミュニケーションには多様なメディアからくる情報が利用されると同時に、その多様なメディアも一つのモダリティとして扱われるのではなくマルチモーダルな情報を持つものとして、そこから取捨選択した情報がその時々において用いられていることが分かった。本研究ではその中でも動きの質の情報について、言語というメディアと動作というメディアがどのように関係しているのかについて、言葉から動作をどう判別するか、動作から言葉をどう判別するかの二方向でアンケート調査を行いその特徴について調査を行った。
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