研究課題/領域番号 |
17K02359
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
北原 恵 大阪大学, 文学研究科, 教授 (30340904)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 戦争画 / 美術 / ジェンダー / ポストコロニアル / 移動 / 表象 / 軍事主義 / 記憶 |
研究実績の概要 |
本プロジェクトの目的は、アジア太平洋地域の戦争画研究とそれに関する作品を調査することによって、軍事主義やポストコロニアルの視点から日本の「戦争画」研究そのものを捉え直すことにある。 2017年度は以下の発表・調査・研究を行った。 ①2018年3月20日~27日、米国ワシントンDCで開催された、AASでの発表"Postwar U.S.-Japan Collaborative Production of "War Painting" for the Reports of General MacArthur"(パネル名:Rethinking the Scope and Significance of "Sensoga"(War Painting) During the 15-Year War)、及び調査。②10/8 台湾・国立台北教育大学で開催された国際シンポジウムで“Increasing Contemporary War Paintings and War Memories in Japan”を発表。 国内調査は、①7/29 鞆の津ミュージアムでの「原子の現場」展調査。かにた婦人の村(千葉県・館山市)で、戦時中の海軍の壕や碑の調査、及び「夢を見るー二人語り」の公演調査。②8/22-23 埼玉県立図書館(熊谷分館)、跡見学園女子大学新座図書館、埼玉県立近代美術館ほか調査、③7/2 国立歴史民俗博物館の国際研究集会「歴史展示におけるジェンダーを問う」に参加。 海外調査は、①8月29日~9月6日、ベトナムの戦争表象調査(ホーチミン市:南部女性博物館、The Factory: Contemporary Art Center、Ben Duoc寺院調査。ダナン市「英雄の母」モニュメント調査。ハノイ市:女性博物館、革命博物館、歴史博物館調査)
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度にアメリカ合衆国・ワシントンDCで開催されたAAS(Association for Asian Studies)において学会発表を行い、研究の目的と方法が明確にできたことと、国際的なネットワークを作ることができたのは、大きな成果である。また、個別課題の研究調査(『Reports of General MacArthur(マッカーサー元帥レポート)』ほか)も具体的に進めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
2年目は、Reports of General MacArthurに掲載された日本の戦争画について、さらに調査を行う予定(できれば、米国の公文書館なども含む)。
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次年度使用額が生じた理由 |
初年度(2017年度)は、海外での学会発表の機会が得られ、その準備に集中するため、国内調査や中国調査などを次年度以降に変更した。そこで、計画の修正をしたため、次年度使用額が生じた。
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