研究課題/領域番号 |
17K02359
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
北原 恵 大阪大学, 文学研究科, 教授 (30340904)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 戦争 / ジェンダー / 表象 / アジア・太平洋 / ポストコロニアル / 美術 / 女性 / 植民地 |
研究実績の概要 |
本プロジェクトの目的は、アジア太平洋地域の戦争画研究とそれに関する作品を調査することによって、軍事主義やポストコロニアルの視点から日本の「戦争画」研究そのものを捉え直すことにある。2019年度は以下の調査・発表・研究会・出版を行った。 【調査】①8月23日、あいちトリエンナーレ調査(名古屋市美術館、愛知芸術文化センター、豊田市美術館):②9月3日~6日、韓国美術調査ー国立現代美術館、ハッコジェギャラリー、移動と移民展(京畿道美術館)、郭仁植展(国立現代美術館・果川)、近代美術家の再発見展(国立現代美術館・徳寿宮館)、チョン・ジョンヨプ展(イ・ウンノ記念館、忠清南道・洪城郡)、バーバラ・クルーガー展(アモーレ・パシフィック・ミュージアム)+美術家・担当学芸員の面談調査:③12月1日「岸本清子」展調査(愛知県立美術館):④12月7日、同時代史学会「〈戦争の記憶〉をめぐる同時代史」参加(日本大学)。12月8日、ジェンダー史学会大会「象徴天皇制/君主制とジェンダー」参加(専修大学):⑤1月21日、三鷹市内吉田家にて吉田博の戦争画関係の資料調査(播磨造船所でのスケッチ):⑥『Reports of General MacArthur』の継続調査。 【発表・出版】①カンザス大学スペンサー美術館の紀要Registerに、英語圏での初めての研究となる谷口富美枝に関する論文(査読有)を英文で発表(オープンアクセス):②美術批評の連載「Gender×アート」を1年間(11回)『We Learn』に寄稿(日本女性学習財団) 【公開研究会】①2019年05月12日、研究会「「キューバの画家」とは誰を指すのか」開催(関西ジェンダー史カフェと共催(キャンパスプラザ京都)。2019年2月のキューバ調査を発展させた本研究会については、2020年1月『関西ジェンダー史カフェ通信』にて報告。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
初年度のAAS(Association for Asian Studies)での研究発表、2年目(2018年度)のディアスポラ・アートの国際シンポジウムでの発表に続いて、3年目にカンザス大学スペンサー美術館の紀要で谷口富美枝論を発表したのは、成果として挙げられる。だが、新型コロナの影響によって、海外での調査や研究発表を行うことができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
今年度の春は、新型コロナウィルスの影響により国内外調査がすべて中止となったため、次年度に変更するなど、計画の大幅な修正を行う。来年度は、北米の学術雑誌『Asian Diasporic Visual Cultures and the Americas』での投稿・出版など、英語圏での発表を着実に行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルスの影響などにより、国内外の出張が取り止めとなり、次年度に延期することになったため。
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