研究課題/領域番号 |
17K02361
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
山本 和史 岡山大学, 教育学研究科, 教授 (40294392)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | GreenWoodWorkの教育価値 / 樹種と形状による収縮歪み比較 / テンパリング等の変形抑制効果 / 未乾燥木材の仕上げ方法 / Turning刃物の研磨 |
研究実績の概要 |
■第Ⅶ期(4-7月)①5樹種(ソヨゴ、アカシデ、コナラ、クリ、イヌザクラ)について、定型加工直後と乾燥後のスキャンデータ取得、順次3Dデータ計測を行う。②煮沸(テンパリング)効果を3樹種(ヤマザクラ、ソヨゴ、アカシデ)で検証(定型加工直後の3Dデータ記録)。③学部工芸授業においてGreenWoodWorkの教育効果を実践研究。④外部W.S.への参加、4/21(神戸)「樹を削る15人1脚の椅子」、4/28(岐阜県立森林文化アカデミー)「匙フェス2019」、へ学生と共に参加しGreenWoodWorkの指導方法と参加者の諸相、社会的な教育効果を調査。 ■第Ⅷ期(8-11月)①既得データの比較検証と視覚化の模索。及び、テンパリング乾燥後の効果を検証。高周波同様に乾燥速度を早める効果がある事、サクラ、アカシデで芯割れを防ぐ効果が見られたが、ソヨゴでは効果が見られかった。XY歪みについて比較検証中。また7樹種について板材の収縮(T/L/R:10月~2月)調査を開始。②里山クラフト研究会:実績のある作家(静岡:中矢嘉貴氏)を取材(9/18)し、制作過程と刃物、設備等を調査。9/21研究会で報告。③テキストブック『WoodTurning初級Lesson』(A5冊子20p)を作成し公開(社会人)講座を実施(8/31.9/7.14.21.29)。 ■第Ⅸ期(12-3月)①3Dデータの図表、視覚化作業(14樹種)と、不足データの取得作業。板材の計測と比較データの作成。継続して樹種と形状による収縮歪みの比較検証、及びテンパリング等の歪み抑制作用について研究中。②里山クラフト研究会成果発表会、参加作家と内容の取りまとめ、及び発表パネル(A2×12,B2×5)を作成し後、市内ギャラリーにて開催(岡ArtGallery:3/18-23)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
①第Ⅷ期以降、計測数値とCAD断面図を視覚的、一元的にまとめる方法を模索し続けた。今年1月に図表の形式が次の様に定まった。それぞれの樹種について繊維方向による収縮率、体積比、比重、XY歪み率を算出。XYZ方向からのpig断面図をCADから作成し、未乾燥/乾燥後で重ね合わせ、方向に沿って変動量を分かる様配置。 3月の「里山クラフト展」でのパネル発表を目指したが、他の展示物制作作業との並行が難しく、完了出来たのは5樹種のみであった。 ②テンパリング等の変形抑制効果については検証要素が少ない。他の樹種や高周波、PEGを用いた検体との比較も必要では無いか。 ③GreenWoodWorkの教育的効果について再検証。 随時作業は継続しているが、今回の新型コロナ禍中、新年度対応に追われ4-5月の作業は進んでいない。
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今後の研究の推進方策 |
①早期(2017-2018.8)に行った未乾燥検体のデータが不完全(3Dスキャナの能力不足)なため、新に再計測が必要な樹種(ヤマザクラ、コナラ)がある(約2ヶ月必要)。合わせて、変形抑制に対する試験を追加したい。 ②GreenWoodWorkの教育的効果について再検証。 ③WoodTurningの手引き書を中級へ向けて発展版を追記したい。 ④研究成果をまとめ、雑木利用の推進となる小冊子を作成の予定
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度の研究(データ処理とその検証)作業が進まず、まとめを出し得なかった事が最大の理由。(この継続のため概算5万円程度の経費) また計画で述べた通り、成果報告をベースとした雑木利用推進の小冊子とWoodTurning手引書を印刷するためである。(概算15~20万円の経費)
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