コロナ対策に関わり大学教育活動へ多大な時間と労力を割かれた状態が続いた。研究をまとめ直しながらデータと検証結果の照合を行って来た。 ①雑木乾燥変形のデータ検証:15樹種のデータを収縮率,歪み率,T/L/R各ソートを元に特徴の検証作業。各樹種ごとCADデータから半球検体の断面と、収縮率等の数値を組み合わせた断面図表を作成。これを元にデザイン学会学へ論文を執筆、投稿済み(審査待ち)。「生木加工の乾燥変形と可視化デザインについて」要旨:様々な雑木の乾燥変形について3DスキャナーとCADを用い、誰でもが理解できるよう図表化による可視化を模索した。基礎研究を元に形状を設定し、14樹種から半球状のボウル検体を作製。その膨潤状態と、気乾状態をスキャンして3Dデータを記録。CAD上で3方向の断面を作成し計測。形状の変形を“歪み率”として数値化し、比較、検証を行った。そして各樹種ごと3断面のWet/Dryを重ね合わせ、数値と組み合わせた図表をデザインした。 https://edu.okayama-u.ac.jp/~bijutu/yama/danmen-chart/ 芯持ち縦目検体の芯割れは1割以下にとどまり、円形がほとんど歪まず、形状が繊維方向に伸びる特徴があった。T/R方向の収縮バランスが乾燥変形に大きく影響していることや芯持縦目加工の可能性を読み取れ、これら図表と検体は教育素材としても雑木利用の一助が期待されるものである。 ②GreenWoodWorkの教育研究:学部工芸授業でスプーン削り(4-8月),公開講座で初級woodTurning講座を実践(9/3~18)。このテキストに,EndGrainBowlについて記述を追加し充実を図った。(9月) ③本研究と授業実践を元に当研究科著/編『教育科学を考える』へ執筆第7章第2節:「木育」を事例に、を執筆した。(12-1月)
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