研究課題/領域番号 |
17K02371
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
吉田 隆之 大阪市立大学, 大学院都市経営研究科, 准教授 (00771859)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 芸術祭 / ソーシャルキャピタル / 地域づくり / アートプロジェクト |
研究実績の概要 |
2018年度(平成30年度)は、いちはら×アートミックス(千葉県市原市)、大地の芸術祭(新潟県十日町市等)、リボーンアート・フェスティバル(宮城県石巻市)などの現地調査を行った。主に芸術祭が地域コミュニティ形成に寄与するのかについて関係者にインタビューを実施し、定性的な分析を行った。分析の指標については、一時的な変化については人的協力・ネットワーク、継続的な変化についてはソーシャルキャピタルとした。 いちはら×アートミックスについては、2017年度の調査・分析で、調査対象とした三地区で芸術祭による人的協力・ネットワークの活性化が確認できたが、いずれもソーシャル キャピタルの形成までは至っていないことを明らかにした。その分析について、調査対象者が延べ9名(実質9名)だったところ、2018年度の調査では延べ25名(実質19名)と増やし、より客観性の担保に留意した。大地の芸術祭については、2018年度の展開の動向を新たに押さえた。また、大地の芸術祭莇平集落《明後日朝顔文化事業部》のプロジェクトについては、とくに直近の動向を再調査し、ソーシャルキャピタルの分析の精緻化に努めた。リボーンアート・フェスティバル2017については、新たな場づくりの展開に着目し、「はまさいさい」や「石巻のキワマリ荘」について取材を行う。理論的分析が今後の課題である。 また、昨年度調査を行った奥能登国際芸術祭2017については、内発的発展論などによる理論的な分析を行う。 いちはら×アートミックス、リボーンアート・フェスティバル、奥能登国際芸術祭については2018年度学会発表等を行い、本研究の視点や枠組みについて批判を仰ぎ、確認と修正を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2018年度(平成30年度)は、当初予定していた大地の芸術祭(新潟県十日町市)、水と土の芸術祭(新潟県新潟市)に加え、いちはら×アートミックス(千葉県市原市)、リボーンアート・フェスティバル(宮城県石巻市)などの現地調査を行った。 いちはら×アートミックス(千葉原市)については、「芸術祭の地域コミュニティ形成への影響―いちはらアート×ミックスを事例に」が『アートマネジメント研究』19巻(2019年)に掲載された。また、リボーンアート・フェスティバル(宮城県石巻市)や2017年度調査を行った奥能登国際芸術祭(石川県珠洲市)などについて理論的分析を行う。これらの分析結果について学会発表等を行い、本研究の視点や枠組みについて批判を仰ぎ、確認・修正をしている。
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今後の研究の推進方策 |
2019度(平成31年度)は、あいちトリエンナーレ2019(名古屋市)、リボーンアート・フェスティバル2019(宮城県石巻市)などの現地調査を当初の予定通り行う。昨年度までに調査済のものも含め、分析結果を学会等で発表・投稿し、本研究の視点や枠組みについて批判を仰ぎ、最終的な確認と修正を行う。 これまで調査を行ってきたあいちトリエンナーレ-長者町会場、大地の芸術祭-莇平集落、水と土の芸術祭-小須戸ARTプロジェクト、いちはらアート×ミックス-内田・月崎・養老渓谷、奥能登国際芸術祭-飯田・正院・若山(上黒丸)、リボーンアート・フェスティバル‐はまさいさい・石巻のキワマリ荘、札幌国際芸術祭-評価に関する研究成果をまとめたものを年度内に書籍として刊行することを目標とする。
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