研究課題/領域番号 |
17K02372
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研究機関 | 沖縄県立芸術大学 |
研究代表者 |
近藤 春恵 沖縄県立芸術大学, 音楽学部, 教授 (50316204)
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研究分担者 |
岡田 光樹 沖縄県立芸術大学, 音楽学部, 准教授 (10336977)
山内 昌也 沖縄県立芸術大学, 音楽学部, 准教授 (60794344)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 琉球楽器 / 伝統楽器 / 現代奏法 / 現代邦楽 |
研究実績の概要 |
平成29年度は、西洋音楽における近現代音楽の読譜と音楽的解釈を促進させるメソッドの研究として、弦楽器の研究に的を絞り、洋楽器、中国の伝統楽器、琉球楽器の調査・情報収集を行った。また、演奏の検証発表として実演発表、録音を行った。 ①「クラシックギター・レクチャーコンサート」の開催では、伝統的な奏法テクニックと、現代作品における発展のレクチャー、その実演を実際に検証し、ギター独奏の為の創作作品《Fantaisy》における運指の指導を受けた。(平成29年9月:沖縄)(近藤) ②中国の民族楽器、揚琴、笛子による現代創作作品の調査とテクニック・記譜上の研究として、レクチャー聴講と創作作品の調査を行い、多様な創作の在り方を研究した。(平成29年9月、平成30年3月:東京)(近藤) ③旧作品《あかね幻想~ソプラノ、二十絃箏の為の》の改訂と録音を行った。(平成29年12月:東京)(近藤) ④旧作品《Moh-AshibiⅡ》の改訂再演と録音を行った。(平成30年3月:滋賀、東京)(岡田、山内) ⑤琉球楽器、三線の創作曲における「工工四譜の記譜変換」に関する研究調査について、県内外の音楽教員(小・中・高)との研修会を実施し、意見交換を行った。(平成29年5月~平成30年3月:沖縄、東京、奈良)(山内)
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究の目標である「琉球楽器、和楽器との創作作品の研究と実演による発表」の前段階として、創作作品《あかね幻想~ソプラノ、二十絃箏の為の》の改訂と録音(平成29年12月)、琉球楽器と洋楽器の創作作品《Moh-AshibiⅡ》の改訂再演と録音(平成30年3月)を行ったが、CD制作に関しては年度内にすることができなかったので、平成30年度前半期に実施する予定である。 また、その活動を通して新たに、京都市立芸術大学大学院作曲理論研究室からの協力を得ることができて、国際音楽祭、シンポジウムでの発表準備を進めるに至った。しかし、当初予定していた台湾、香港への民族系楽器の創作作品の調査研究をする日程調整ができなかった為、平成30年度以降に見送ることとなった。(近藤、岡田、山内) また「琉球楽器、三線における創作曲を互換性のある工工四譜への記譜変換」については、創作作品《Moh-AshibiⅡ》(近藤作曲)の五線譜を工工四に記譜変換をしたが、琉球古典音楽の工工四を五線譜へ記譜変換する作業が遅れている。(山内)
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今後の研究の推進方策 |
平成30年度以降は、更に大規模な弦楽オーケストラと三線による創作作品の執筆、演奏による検証を行うべく、京都市立芸術大学大学院作曲理論研究室と連携し、国際現代音楽祭、シンポジウム「アジアの音舞の現在・アジアの管弦の現在」での実演発表の機会を予定しておりその準備に取り掛かっている。また、琉球楽器と洋楽器の特殊な編成の規模をさらに発展させ、作品研究と創作による演奏検証を行っていく予定である。 そして、平成29年度では日程上実施できなかった、海外での邦楽器、琉球楽器以外の「伝統楽器による創作作品の調査研究」を進めるべく、各国の作曲家との連絡・日程調整を行い、研究を深めたいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成29年度に予定していた創作作品《あかね幻想~ソプラノ、二十絃箏の為の》改訂版と、琉球楽器と洋楽器の創作作品《Moh-Ashibi Ⅱ》改訂版の録音物のCD制作が遅れた為、平成30年度前半期に実施する予定である。
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