研究課題/領域番号 |
17K02383
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研究機関 | 武蔵大学 |
研究代表者 |
小山 ブリジット 武蔵大学, 人文学部, 教授 (40178398)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 比較芸術 / 幻想芸術 / 日欧文化 / 日仏文化 |
研究実績の概要 |
日本の現代アートが中世の日本幻想芸術と西洋芸術を受け継いでいることを証明したいと思い、この一年間研究を続けてきた。 8月の末から9月の初めまでと12月と3月に3回フランスに行った。オルセー美術館(Musee d’Orsay)、プティ・パレ美術館(Musee du Petit Palais)、ギメ美術館(Musee des arts asiatiques Guimet)、ケ・ブランレ美術館(Musee du Quai Branly)などで学芸員と研究者に会い、調査を行った。ロンドンのV&A美術館のコレクションも調査・研究に行った。なお、パリギメ美術館の展覧会の図録 Meiji, splendeurs du Japon imperial 1868-1912 (Mnaag Lienart 出版社2018)(日本語訳『明治、帝国日本の輝き、1868年から1912年まで』)に参加し、論文を執筆した。 また、10月には、アラブ首長国連邦のルーヴルアブダビ美術館(Musee du Louvre Abu Dhabi)で行われた展覧会、Affinites japonaises, vers le decor moderne(日本語訳「日本との親近性、近代装飾の始まり」)にて、マンガのルーツや日本の現代アートに中世の日本幻想芸術と西洋芸術及ぼした影響について講演を行った。なお、この展覧会の図録に論文を執筆し、図録は Kaph Books出版社で出版された。 12月には、ミズマ・アートギャラリーで現代アーティストの方に、作品の技法と作品のテーマに関するインタビューを行った。 書籍を購入し、資料調査も実施できたことや、海外の美術館の学芸員の方々と研究を進められた点も合わせ、順調に研究計画を進めることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の研究計画どおりに現地調査や論文執筆を行うことができているため、本課題は、おおむね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
今回の計画に合わせて、比較芸術の研究を続け、2020年にフランスの出版社Editions de la ceriseで出版される画家山口晃の画集の序文を執筆する予定である。 また、今回研究テーマに関する成果は外国でも高く評価されたため、引き続き、同テーマについて研究を深めていく。 本年度行った研究によって、日本の現代美術がどれほど伝統から発想を得ているかを理解するに至ったので、研究の次の段階として、現実の動物や空想上の動物に関して、その源を探るため、有史以前の芸術から現代芸術に至るまでいかにこのテーマが扱われてきたかを考察し、どのように現代美術に取り入れられているかを明らかにしていきたい。それについて、日本と西洋における動物画についての本を執筆する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度は予定どおりに海外渡航を行うことができたが、知人宅への宿泊や講演先による航空券代の支給等により旅費を節約することができ、未使用額が生じた。未使用額は、来年度の海外渡航旅費の一部として使用予定である。
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