研究実績の概要 |
伝統芸能5ジャンル7種類のトップレベルの実演家14名を対象に、次の2つの目標を目指して研究を行った。 第一目標:各芸能別に習得すべき技と習得過程を明らかにする/技の内容と習得過程に関する聞き取り調査(第一段階)、技に関する実証的な研究(第二段階) 第二目標:実演家の技と伝承者の言葉を動画で記録(第一段階)、動画作品(日本語・英語テロップ付き)を作成し、一部を一般公開(第二段階)。DVD付き書籍にこれらの成果をまとめて出版(第三段階)。
2019年度は、これらの5ジャンル7種類の実演家を対象とした第一目標である調査、実証的な研究。加えて第二目標である動画の記録、動画作品の作成と一般公開(ショートバージョン)を終え、2020年3月25日に、最終目標であった書籍(DVD付き)にこれらの成果をとりまとめて出版させることができた。書籍のタイトルは『ようこそ伝統芸能の世界 伝承者に聞く技と心』森田ゆい著。薫風社から出版した。(定価2,000円+税)なお、出版にあたり筆者は著作権を放棄した(書籍に協力頂いた実演家たちへの献本は、森田が個人で買い取り献本を行った)。この書籍中の研究報告の頁に、研究分担者である森田寿郎の文責で、第一目標第二段階において行った技に関する実証的な研究の成果報告を掲載した。 また研究に関する成果は、2019年10月6日に比較舞踊学会第30回大会にて「日本の伝統芸能の熟達者が熟達を判断する身体づかいの特徴について-能・狂言・文楽(人形遣い)・歌舞伎舞踊・地唄舞・組踊・琉球舞踊を対象に-」というタイトルで一部発表した。また原著論文を『比較舞踊研究』第27巻に投稿中である。
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