研究課題/領域番号 |
17K02403
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研究機関 | 京都外国語短期大学 |
研究代表者 |
荘中 孝之 京都外国語短期大学, キャリア英語科, 教授 (70390101)
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研究分担者 |
長谷 邦彦 京都外国語大学, 国際言語平和研究所, 客員研究員 (40387981)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 『はだしのゲン』 / 翻訳 / マンガ / 受容 |
研究実績の概要 |
2017年度は『はだしのゲン』の英訳が具体的にどのような経緯で、またどのような作業を経て完成したのかを関係者への取材を通して明らかにしていった。 まず翻訳を行った金沢の市民グループ「ゲンプロジェクト」のメンバー数名に、時間をかけてインタビューに応じてもらった。そこで翻訳への思いや苦労、また具体的な作業工程や問題点などを語ってもらった。 そして英訳の文章をチェックしたネイティブのメンバーの話を聞くために、東京へも出かけた。また2018年度に予定している、『ゲン』のアメリカでの受容を調査するための一環として、広島の大学で教鞭を執るアメリカ人の方にもお話を伺った。 これらの聞き取り調査を通じて多くの有益な資料や情報を得ることができた。特に2018年度に予定している『ゲン』のアメリカでの受容について、いくつかの訪問予定候補を絞り、またその一端を知ることができたのは収穫であった。 しかし「ゲンプロジェクト」の中心メンバーの一人と調整がつかずに会えなかったのは残念であり、また『ゲン』の英訳が全米約3000の図書館や学校に配布されることになった最大の功労者の方のお話はまだ伺っていない。 2018年度は課題として残されたそれらの方への聞き取り調査をすることと、『ゲン』のアメリカでの受容を調査するために着々と準備を進め、実際にそれを行わなければならない。また一方で研究の成果を論文としてまとめていく必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2017年度に予定していた聞き取り調査を、ほぼ全員について行うことができた。また当初の予定以外の方からもお話を伺うことができ、有益な資料や情報を得ることもできた。しかしその過程で必要を感じた数名の方のお話をまだ伺うことができていない。
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今後の研究の推進方策 |
2018年度は「ゲンプロジェクト」の中心メンバーで、英訳において特に重要な役割を果たした方への聞き取り調査を行う。また『はだしのゲン』が全米約3000の図書館や学校に配布されることになったある功労者の方にお話を伺う。 それと並行して『ゲン』のアメリカでの受容を調査するための準備を進め、実際に現地を訪れて関係者への聞き取りなどを行う。そして今年度中にいったん研究成果を論文にまとめて発表する。
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次年度使用額が生じた理由 |
当該年度は人件費として使用することがなかったのと、必要な聞き取り調査をいくつか実行できなかったため。今年度は研究調査のためアルバイトを雇い、人件費として使用する。また必要な聞き取り調査を行う予定。
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