研究課題/領域番号 |
17K02409
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研究機関 | 青山学院大学 |
研究代表者 |
山本 啓介 青山学院大学, 文学部, 准教授 (50601837)
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研究分担者 |
小山 順子 京都女子大学, 文学部, 教授 (20454796)
綿抜 豊昭 筑波大学, 図書館情報メディア系, 教授 (30211676)
松本 麻子 いわき明星大学, 教養学部, 准教授 (70708990)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 連歌 / 賦物連歌 / 後土御門天皇 / 室町後期 |
研究実績の概要 |
宮内庁書陵部蔵『賦物連歌』(全17括)の翻刻と確認作業、及びその内容分析を中心に進めた。詳細とその成果は下記の通りである。 本年度は特に同資料の第1括~10括所収の、文明12年(1480)から慶長9年(1604)の連歌百韻、計205点の翻刻及び統一・確認作業を完了し、報告書「宮内庁書陵部蔵『賦物連歌』(上)」として刊行した(現在製本中)。同資料は巻頭に解題を設け、巻末の目録には所収連歌の開催年月日・発句作者・懐紙についての基礎的な情報・『連歌総目録』等によって確認しうる他出資料などのデータも載せた。本資料の完成は、上述の期間の内裏及びその周辺で行われた百韻連歌(千句連歌を含む)の信頼できる本文資料の整備、連歌史の補完に寄与するものと思われる。 なお、宮内庁書陵部蔵『賦物連歌』の後半にあたる第11括~17括についても既に基礎作業を終えており、次年度に報告書としての刊行する準備も進めている。 また、上記の作業と並行して作者(連衆)についての分析・作品の表現分析も進めている。 作者(連衆)の分析については、人物比定を進め、「人名索引」を作成する準備をしている。「人名索引」は次年度の報告書に併せて掲載予定である。 表現分析については、和歌・連歌を横断する表現、特に連歌が先行する可能性の高い表現の抽出及び連歌独自の表現の抽出を行っている。その中でも連歌独自であり、かつ時代性を反映した特殊な表現に注目し、それが後に連歌から和歌へと影響した可能性についての検証を行っている。その成果は次年度での学会発表・論文化を計画している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
賦物連歌の翻刻にあたり、原資料の性質上統一的な基準の設定などで難航したところがあるが、全体の過半数にあたる翻刻・出版を年度内に完了した。ただし、完成が年度末にずれ込んだため、印刷製本代の計上の関係で印刷は年度明けとなる。
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今後の研究の推進方策 |
『賦物連歌』の残部(第11括~17括)の基礎的な翻刻は既に終わっている。同資料の分析を併せて行い、翻刻と人物索引を作成したものに諸成果を併せたものを次年度の報告書としてまとめる予定。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究成果報告書の出版が年度末になったため、印刷費として繰り越した。
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